学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ I. その他の整形外科疾患 / Q0877

理由で解く 臨床医学各論

Q0877 整形外科疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題62
問題
胸郭出口症候群で適切な記述はどれか。
選択肢
1 高齢者に多い。
2 前斜角筋による圧迫が原因となる。
3 動脈は圧迫されない。
4 上肢帯の筋力は症状と関連しない。
解答
正解2(前斜角筋による圧迫が原因となる。)
解説
✗ 1. 誤り
高齢者に多い。
胸郭出口症候群は20代が最も多く、なで肩の体型の若年女性に好発する疾患である。 高齢者に多い疾患ではなく、上肢帯の筋力が弱いなで肩の人に起こりやすい傾向がある。
✓ 2. 正しい
前斜角筋による圧迫が原因となる。
前斜角筋による圧迫は胸郭出口症候群の代表的な原因の一つである。 胸郭出口症候群は前斜角筋・中斜角筋間(斜角筋症候群)、鎖骨と第1肋骨間(肋鎖症候群)、烏口突起と小胸筋間(過外転症候群)などで腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫される疾患群の総称である。斜角筋症候群では前斜角筋の攣縮によって斜角筋三角が狭窄され、神経・血管の圧迫が生じる。
✗ 3. 誤り
動脈は圧迫されない。
胸郭出口症候群では腕神経叢だけでなく鎖骨下動脈も圧迫される。 アドソンテスト・エデンテスト・ライトテストなどの誘発テストでは、橈骨動脈の拍動を触れながら特定の姿位をとらせ、脈拍が減弱・消失することをもって陽性と判定する。
✗ 4. 誤り
上肢帯の筋力は症状と関連しない。
上肢帯の筋力低下(なで肩の体型)は胸郭出口症候群の発症と密接に関連する重要な因子である。 上肢帯筋肉強化運動は保存的治療の一つとして行われ、筋力強化により胸郭出口の支持性を改善し症状の軽減を図る。
ポイント
  • 胸郭出口症候群はなで肩の若年女性に好発し、前斜角筋・中斜角筋間などで腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫される疾患群である
  • 斜角筋症候群・肋鎖症候群・過外転症候群・頸肋症候群の4亜型があり、それぞれ圧迫部位と誘発テストが異なる
  • 動脈圧迫も生じるため、誘発テストでは橈骨動脈の拍動減弱・消失を確認する
  • 重要用語: 胸郭出口症候群, 斜角筋症候群, 前斜角筋, アドソンテスト, なで肩 を正確に理解しておくこと。
比較表
亜型 圧迫部位 圧迫原因 誘発テスト
斜角筋症候群 斜角筋三角 前・中斜角筋の攣縮 アドソンテスト
肋鎖症候群 肋鎖間隙 第1肋骨と鎖骨間の狭窄 エデンテスト
過外転症候群 烏口突起下 小胸筋による圧迫 ライトテスト
頸肋症候群 斜角筋三角底部 頸肋(過剰肋骨)
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題62|胸郭出口症候群で適切な記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題62|胸郭出口症候群で適切な記述はどれか。
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