学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ I. その他の整形外科疾患 / Q0876

理由で解く 臨床医学各論

Q0876 整形外科疾患

出典:あマ指 第11回(2003) 問題91
問題
神経麻痺で母指対立筋の萎縮がみられるのはどれか。
選択肢
1 筋皮神経
2 尺骨神経
3 橈骨神経
4 正中神経
解答
正解4(正中神経)
解説
✗ 1. 誤り
筋皮神経
筋皮神経(C5-C7)は上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋を支配する運動神経であり、母指対立筋は支配しない。 筋皮神経麻痺では肘関節の屈曲力低下と前腕外側の感覚障害がみられる。
✗ 2. 誤り
尺骨神経
尺骨神経は骨間筋・小指球筋・母指内転筋などを支配するが、母指対立筋は支配しない。 尺骨神経麻痺では骨間筋・小指球筋の萎縮により鷲手変形を呈する。
✗ 3. 誤り
橈骨神経
橈骨神経は手関節・指の伸筋群(腕橈骨筋・総指伸筋など)を支配するが、母指対立筋は支配しない。 橈骨神経麻痺では手関節と指の伸展不能により下垂手(drop hand)を呈する。
✓ 4. 正しい
正中神経
母指対立筋は正中神経支配であり、正中神経麻痺で萎縮する。 手根管症候群などで正中神経が障害されると母指球筋(短母指外転筋・母指対立筋など)が萎縮し、母指の対立運動障害と猿手変形を呈する。正中神経は手指橈側3指半(母指・示指・中指・環指橈側半分)の感覚も支配しており、しびれや知覚障害も生じる。
ポイント
  • 母指対立筋は正中神経支配であり、正中神経麻痺(手根管症候群など)で萎縮して猿手変形を呈する
  • 尺骨神経麻痺では骨間筋・小指球筋の萎縮により鷲手変形、橈骨神経麻痺では伸筋群障害により下垂手となる
  • 各神経の支配筋・変形・感覚領域の対応関係は頻出事項であり、セットで記憶する
  • 重要用語: 母指対立筋, 正中神経支配, 猿手変形, 手根管症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経 支配筋(代表) 麻痺時の変形 感覚支配領域
正中神経 母指球筋(母指対立筋など) 猿手 手掌橈側3指半
尺骨神経 骨間筋・小指球筋 鷲手 手掌尺側1指半
橈骨神経 手関節・指の伸筋群 下垂手 手背橈側(第1背側骨間筋部)
筋皮神経 上腕二頭筋・上腕筋 前腕外側
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題91|神経麻痺で母指対立筋の萎縮がみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題91|神経麻痺で母指対立筋の萎縮がみられるのはどれか。
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