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理由で解く 臨床医学各論

Q0848 整形外科疾患

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題65
問題
外傷性肩関節脱臼について正しいのはどれか。
選択肢
1 若年者の初回脱臼は反復性に移行しやすい。
2 高齢者では上腕骨大結節骨折の合併はまれである。
3 後方脱臼が最も多い。
4 整復後は可及的早期に可動域訓練を開始する。
解答
正解1(若年者の初回脱臼は反復性に移行しやすい。)
解説
✓ 1. 正しい
若年者の初回脱臼は反復性に移行しやすい。
若年者では外傷性肩関節脱臼の初回脱臼後に反復性脱臼(習慣性脱臼)に移行しやすい。 10代では外傷性脱臼の90%以上、20代で80%、30代で50%が反復性肩関節脱臼に移行するとされる。関節唇損傷(バンカート損傷)や骨頭の陥凹(ヒルサックス損傷)が残存することが主な原因であり、年齢が若いほど再脱臼率が高い。投球やテニスのサーブなど肩関節の外転・外旋で再脱臼を起こしやすい。
✗ 2. 誤り
高齢者では上腕骨大結節骨折の合併はまれである。
高齢者では骨粗鬆症による骨密度低下があるため、脱臼時に上腕骨大結節骨折を合併することがむしろ多い。 高齢者では骨の脆弱性のため脱臼骨折となりやすく、まれとはいえない。また腋窩神経損傷を合併することもあり、三角筋の麻痺や上腕外側の感覚障害に注意が必要である。
✗ 3. 誤り
後方脱臼が最も多い。
肩関節脱臼は前方脱臼が最も多く、全肩関節脱臼の約90%以上を占める。 後方脱臼は稀であり、転落やてんかん発作時に生じることがある。上肢の外転・外旋が強制されると前方脱臼を起こしやすい。
✗ 4. 誤り
整復後は可及的早期に可動域訓練を開始する。
整復後は三角巾やバストバンドで約3週間の内旋位固定が必要であり、可及的早期の可動域訓練は再脱臼のリスクを高める。 固定期間終了後に段階的にリハビリテーションを行うのが原則であり、腱板筋群の筋力強化が再脱臼予防に重要である。
ポイント
  • 外傷性肩関節脱臼は前方脱臼が約90%以上を占め、四肢の脱臼で最も頻度が高い
  • 若年者ほど反復性脱臼に移行しやすく、バンカート損傷・ヒルサックス損傷が原因となる
  • 高齢者では大結節骨折や腱板断裂の合併に注意し、整復後は約3週間の固定が必要である
  • 重要用語: 肩関節前方脱臼, 反復性脱臼, バンカート損傷 を正確に理解しておくこと。
比較表
年代 反復性脱臼への移行率 臨床的特徴
10代 90%以上 バンカート損傷の残存
20代 約80% スポーツ復帰後の再脱臼
30代 約50% 移行率はやや低下
高齢者 低い 大結節骨折・腱板断裂の合併
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題65|外傷性肩関節脱臼について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題65|外傷性肩関節脱臼について正しいのはどれか。
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