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理由で解く 臨床医学各論

Q0617 整形外科疾患

出典:あマ指 第3回(1995) 問題86
問題
いわゆる五十肩について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 肩の運動は制限される。
2 関節腔は拡大している。
3 上肢帯筋の萎縮が起こる。
4 保存的療法が基本である。
解答
正解2(関節腔は拡大している。)
解説
✗ 1.
肩の運動は制限される。
✗ 正しい。五十肩では関節包の拘縮や周囲組織の炎症により、外転・外旋・内旋などの肩関節の運動が著しく制限される。 特に結帯動作(内旋+伸展)と結髪動作(外転+外旋)が困難になるのが特徴であり、全方向性の可動域制限を呈する。
✓ 2. 誤り
関節腔は拡大している。
五十肩(肩関節周囲炎)では関節包の炎症・線維化・拘縮が進行するため、関節腔はむしろ狭小化する。 「関節腔は拡大している」という記述は誤りである。関節包が癒着・収縮することで可動域制限が生じ、関節造影でも関節腔の容積は正常の半分以下に縮小していることが確認される。
✗ 3.
上肢帯筋の萎縮が起こる。
✗ 正しい。疼痛による上肢の不動化と関節可動域制限が長期化することで、肩周囲の筋群(三角筋・棘上筋・棘下筋など)に廃用性萎縮が起こる。 拘縮期から回復期にかけて筋力回復訓練が重要となり、廃用性萎縮の予防には早期からの運動療法開始が推奨される。
✗ 4.
保存的療法が基本である。
✗ 正しい。五十肩の治療は保存的療法が基本である。具体的には薬物療法(消炎鎮痛薬)、リハビリテーション(振り子体操、コッドマン体操)、鍼灸、マッサージなどが行われる。 予後は良好であり1〜1.5年で改善することが多く、手術療法が必要となることはまれである。
ポイント
  • 五十肩では関節包の炎症→線維化→拘縮という経過をたどり、関節腔は狭小化する(拡大ではない)
  • 関節腔の拡大がみられるのは関節水腫を伴う変形性関節症や化膿性関節炎などであり、五十肩とは異なる
  • 長期の不動化により廃用性萎縮が生じるため、急性期を過ぎたら早期の運動療法が重要である
  • 重要用語: 関節腔狭小化・関節包拘縮・廃用性萎縮・保存的療法・コッドマン体操 を正確に理解しておくこと。
比較表
五十肩の所見 正しい内容 誤りやすい内容
関節腔 狭小化(関節包拘縮) 拡大(×)
可動域 全方向に制限 正常(×)
上肢帯筋 廃用性萎縮あり 萎縮なし(×)
治療 保存的療法が基本 手術が必須(×)
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題86|いわゆる五十肩について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題86|いわゆる五十肩について誤っている記述はどれか。
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