学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ E. その他の代謝異常症 / Q0605

理由で解く 臨床医学各論

Q0605 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第34回(2026) 問題62
問題
ビタミンB6欠乏でみられるのはどれか。
選択肢
1 眼球乾燥
2 出血傾向
3 口角炎
4 大球性正色素性貧血
解答
正解3(口角炎)
解説
✗ 1. 誤り
眼球乾燥
眼球乾燥(眼球乾燥症)はビタミンA欠乏でみられる症状である。ビタミンAは上皮組織(特に結膜・角膜)の維持と視覚機能に不可欠な脂溶性ビタミンであり、欠乏すると眼球乾燥症・夜盲症(暗順応障害)・角膜軟化症をきたす。重症例では角膜穿孔から失明に至ることもある。ビタミンB6欠乏では眼症状は通常みられない。
✗ 2. 誤り
出血傾向
出血傾向はビタミンK欠乏またはビタミンC欠乏でみられる。ビタミンKは血液凝固因子(第II・VII・IX・X因子)の肝臓での合成に必要であり、欠乏すると凝固因子低下による出血傾向をきたす。ビタミンC欠乏(壊血病)ではコラーゲン合成障害により毛細血管が脆弱化し、歯肉出血・皮下出血が出現する。ビタミンB6欠乏では出血傾向は特徴的ではない。
✓ 3. 正しい
口角炎
ビタミンB6(ピリドキシン)はアミノ酸代謝における補酵素(ピリドキサルリン酸: PLP)として重要であり、トランスアミナーゼや脱炭酸酵素などの反応に関与する。欠乏すると口角炎・口内炎・舌炎・脂漏性皮膚炎・多発性末梢神経炎がみられる。口角炎はビタミンB2欠乏でもみられるため混同しやすいが、B6欠乏では末梢神経障害や貧血を伴う点が異なる。臨床的に重要なこととして、抗結核薬イソニアジド(INH)はビタミンB6の拮抗薬として作用するため、INH投与中にビタミンB6欠乏による末梢神経障害を生じることがあり、予防的にB6を併用投与する。
✗ 4. 誤り
大球性正色素性貧血
大球性正色素性貧血(巨赤芽球性貧血)はビタミンB12または葉酸の欠乏でみられる。ビタミンB12欠乏では悪性貧血として知られ、ハンター舌炎(平滑で光沢のある赤い舌)や亜急性連合脊髄変性症を合併する。葉酸欠乏ではDNA合成障害による巨赤芽球性貧血に加え、下痢・舌炎がみられる。ビタミンB6欠乏で生じうる貧血は鉄芽球性貧血(小球性低色素性貧血)であり、大球性貧血とは異なる。ヘム合成にビタミンB6が必要であるため、欠乏すると環状鉄芽球が骨髄に出現する。
ポイント
  • ビタミンB6欠乏の症状: 口角炎・口内炎・舌炎・脂漏性皮膚炎・多発性末梢神経炎・鉄芽球性貧血。イソニアジド投与中のB6欠乏は国試頻出であり、INH使用時のB6予防投与を理解しておくこと。
  • 口角炎を生じるビタミン欠乏にはB2とB6がある。鑑別のポイントとして、B2欠乏は羞明・流涙などの眼症状を伴い、B6欠乏は末梢神経障害・鉄芽球性貧血を伴う。
  • 重要用語: ビタミンB6(ピリドキシン)、口角炎、末梢神経障害、鉄芽球性貧血、イソニアジド を正確に理解しておくこと。
比較表
ビタミン 欠乏症 特徴
B1 脚気、ウェルニッケ脳症 糖質代謝の補酵素(チアミンピロリン酸)
B2 口角炎、口唇炎、舌炎、脂漏性皮膚炎 酸化還元反応の補酵素(FAD・FMN)
B6 口角炎、末梢神経障害、鉄芽球性貧血 アミノ酸代謝の補酵素(ピリドキサルリン酸)
B12 巨赤芽球性貧血、ハンター舌炎、亜急性連合脊髄変性症 内因子と結合し回腸末端で吸収
ナイアシン ペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症) 3Dの法則(Dermatitis, Diarrhea, Dementia)
葉酸 巨赤芽球性貧血、下痢、舌炎 DNA合成に必要
C 壊血病(歯肉出血・皮下出血・創傷治癒遅延) コラーゲン合成に必要
A 夜盲症、眼球乾燥、皮膚乾燥・角化 視覚・上皮組織の維持に必要
D くる病(小児)、骨軟化症(成人) Ca・Pの吸収促進、骨石灰化
E 溶血性貧血、神経障害 抗酸化作用
K 出血傾向、新生児メレナ 凝固因子(II, VII, IX, X)合成に必要
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題62|ビタミンB6欠乏でみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題62|ビタミンB6欠乏でみられるのはどれか。
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