学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ E. その他の代謝異常症 / Q0602

理由で解く 臨床医学各論

Q0602 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第26回(2018) 問題67
問題
ビタミンK欠乏によるのはどれか。
選択肢
1 口角炎
2 精神症状
3 骨軟化症
4 鼻出血
解答
正解4(鼻出血)
解説
✗ 1. 誤り
口角炎
口角炎はビタミンB2(リボフラビン)欠乏の代表的症状である。ビタミンB2欠乏では口角炎のほか、口唇炎・舌炎・脂漏性皮膚炎がみられる。ビタミンB6(ピリドキシン)欠乏でも口角炎を生じうるが、いずれもビタミンK欠乏とは無関係である。
✗ 2. 誤り
精神症状
精神症状(認知症)を呈するビタミン欠乏としては、ナイアシン欠乏によるペラグラ(3Dの法則: Dermatitis・Diarrhea・Dementia)が代表的である。また、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症では意識障害・眼球運動障害・失調がみられ、ビタミンB12欠乏では亜急性連合脊髄変性症に伴う精神症状を認めることがある。ビタミンK欠乏では精神症状は出現しない。
✗ 3. 誤り
骨軟化症
骨軟化症はビタミンD欠乏による骨の石灰化障害で生じる疾患であり、ビタミンK欠乏では起こらない。ビタミンDは腸管でのカルシウム・リン吸収を促進し、欠乏すると成人では骨軟化症、小児ではくる病を発症する。なお、ビタミンKはオステオカルシンの活性化を介して骨代謝にも関与するが、骨軟化症の原因とはならない。
✓ 4. 正しい
鼻出血
ビタミンKは肝臓における血液凝固因子(第II因子[プロトロンビン]、第VII因子、第IX因子、第X因子)の合成に不可欠な脂溶性ビタミンである。欠乏するとこれらの凝固因子が低下し、出血傾向をきたす。鼻出血のほか、歯肉出血・皮下出血・消化管出血などがみられる。新生児ではビタミンK欠乏により頭蓋内出血や消化管出血(新生児メレナ)を起こすことがあり、予防的にビタミンKシロップの投与が行われる。
ポイント
  • ビタミンK欠乏=出血傾向と覚える。凝固因子II・VII・IX・Xの産生低下がその機序である。ワルファリンはビタミンK拮抗薬であり、同様の凝固因子低下をきたす。
  • 新生児ビタミンK欠乏性出血症は国試頻出である。生後早期(生後2〜5日)の早発型と生後1〜3か月の遅発型(特発性乳児ビタミンK欠乏性出血症)があり、遅発型では頭蓋内出血が多い。
  • 重要用語: ビタミンK、血液凝固因子(II, VII, IX, X)、出血傾向、新生児メレナ、ワルファリン を正確に理解しておくこと。
比較表
ビタミン 欠乏症 特徴
B1 脚気、ウェルニッケ脳症 糖質代謝の補酵素(チアミンピロリン酸)
B2 口角炎、口唇炎、舌炎、脂漏性皮膚炎 酸化還元反応の補酵素(FAD・FMN)
B6 口角炎、末梢神経障害、貧血 アミノ酸代謝の補酵素
B12 巨赤芽球性貧血、ハンター舌炎、亜急性連合脊髄変性症 内因子と結合し回腸末端で吸収
ナイアシン ペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症) 3Dの法則(Dermatitis, Diarrhea, Dementia)
葉酸 巨赤芽球性貧血、下痢、舌炎 DNA合成に必要
C 壊血病(歯肉出血・皮下出血・創傷治癒遅延) コラーゲン合成に必要
A 夜盲症、眼球乾燥、皮膚乾燥・角化 視覚・上皮組織の維持に必要
D くる病(小児)、骨軟化症(成人) Ca・Pの吸収促進、骨石灰化
E 溶血性貧血、神経障害 抗酸化作用
K 出血傾向、新生児メレナ 凝固因子(II, VII, IX, X)合成に必要
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題67|ビタミンK欠乏によるのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題67|ビタミンK欠乏によるのはどれか。
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