学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ E. その他の代謝異常症 / Q0594

理由で解く 臨床医学各論

Q0594 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第8回(2000) 問題81
問題
欠乏によってニューロパチーをきたすビタミンはどれか。
選択肢
1 ビタミンA
2 ビタミンB1
3 ビタミンD
4 ビタミンE
解答
正解2(ビタミンB1)
解説
✗ 1. 誤り
ビタミンA
ビタミンA欠乏は夜盲症(暗順応障害)、角膜乾燥症(眼球乾燥)、皮膚角化症をきたすが、ニューロパチー(末梢神経障害)は起こさない。ビタミンAは視覚機能と上皮組織の維持に関わる脂溶性ビタミンであり、神経細胞のエネルギー代謝には直接関与しない。
✓ 2. 正しい
ビタミンB1
ビタミンB1(チアミン)の欠乏によりニューロパチー(末梢神経障害)をきたす。ビタミンB1は神経細胞における糖質代謝(ピルビン酸脱水素酵素、α-ケトグルタル酸脱水素酵素、トランスケトラーゼの補酵素)に不可欠であり、欠乏すると神経細胞のATP産生が障害される。その結果、脚気(多発性末梢神経炎:四肢のしびれ・筋力低下・膝蓋腱反射減弱/消失)やウェルニッケ脳症(中枢神経障害:意識障害・眼球運動障害・運動失調)を発症する。
✗ 3. 誤り
ビタミンD
ビタミンD欠乏はカルシウム・リンの吸収障害により、くる病(小児:骨端肥大・O脚)・骨軟化症(成人:骨痛・筋力低下)をきたす。骨・カルシウム代謝に関わるビタミンであり、ニューロパチーの典型的原因ではない。
✗ 4. 誤り
ビタミンE
ビタミンE欠乏は抗酸化作用の低下により溶血性貧血を起こし、重度の場合は脊髄小脳変性様の神経障害を起こしうる。しかし、典型的なニューロパチーの原因としてはB1欠乏が最も重要であり、国試ではB1を選択すべきである。
ポイント
  • ニューロパチー(末梢神経障害)の原因ビタミンといえばビタミンB1が最重要
  • ビタミンB1欠乏では末梢神経障害(脚気)と中枢神経障害(ウェルニッケ脳症)の両方が生じうる
  • ビタミンB群の中でB6、B12も神経障害を起こすが、B1が最も代表的である(B12は亜急性連合脊髄変性症)
  • 重要用語: ビタミンB1、チアミン、ニューロパチー、脚気、ウェルニッケ脳症 を正確に理解しておくこと。
比較表
ビタミン 神経障害の有無 主な神経症状
ビタミンB1 あり(最重要) 末梢神経障害(脚気)、ウェルニッケ脳症
ビタミンB6 あり 多発性末梢神経炎
ビタミンB12 あり 亜急性連合脊髄変性症、巨赤芽球性貧血
ビタミンA なし 夜盲症(視覚障害であり神経障害ではない)
ビタミンD なし くる病・骨軟化症(骨代謝障害)
ビタミンE まれ 重度欠乏で脊髄小脳変性様症状
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題81|欠乏によってニューロパチーをきたすビタミンはどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題81|欠乏によってニューロパチーをきたすビタミンはどれか。
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