学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ D. 尿酸代謝異常 / Q0589

理由で解く 臨床医学各論

Q0589 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題68
問題
痛風について正しいのはどれか。
選択肢
1 胆石を合併しやすい。
2 手関節の腫脹が特徴的所見である。
3 非飲酒者でも発症する。
4 尿酸結晶が末梢神経に沈着して痛みを生じる。
解答
正解3(非飲酒者でも発症する)
解説
✗ 1. 誤り
胆石を合併しやすい。
痛風で胆石を合併しやすいという関連性はない。痛風に合併しやすいのは尿路結石(尿酸結石)である。高尿酸血症により尿中の尿酸濃度が上昇し、尿酸結石が形成されやすくなる。そのほか腎障害(痛風腎)や動脈硬化も重要な合併症であり、胆石とは区別して覚える必要がある。
✗ 2. 誤り
手関節の腫脹が特徴的所見である。
痛風の特徴的な罹患部位は手関節ではなく、第1中足趾節関節(母趾MTP関節)である。全体の約70%がこの部位に初発する。足の親指の付け根に激烈な痛み・発赤・腫脹が急性に出現するのが典型的な痛風発作であり、「風が吹いても痛い」と形容されるほどの疼痛が特徴である。
✓ 3. 正しい
非飲酒者でも発症する。
痛風は非飲酒者でも発症する。飲酒(特にビール)は高尿酸血症の危険因子ではあるが、痛風の原因は飲酒だけではない。プリン体の多い食事の過剰摂取、遺伝的素因(尿酸排泄低下型・産生過剰型)、肥満、腎機能障害、利尿薬の使用なども原因となるため、非飲酒者でも十分に発症しうる。
✗ 4. 誤り
尿酸結晶が末梢神経に沈着して痛みを生じる。
尿酸結晶は末梢神経ではなく関節に沈着して痛みを生じる。尿酸ナトリウム結晶が関節腔内に析出し、好中球がこれを貪食することで急性の炎症反応が起こり、激痛を伴う痛風発作を引き起こす。長期的には皮下(耳介・肘頭部など)に痛風結節(tophi)が形成されることもある。
ポイント
  • 痛風は高尿酸血症により尿酸塩結晶が関節に沈着して激烈な炎症を起こす疾患であり、末梢神経への沈着ではない
  • 第1中足趾節関節(母趾MTP関節)が好発部位であり、手関節ではない
  • 飲酒は危険因子だが、非飲酒者でも遺伝・食事・肥満・薬剤などにより発症する
  • 合併症は尿路結石・痛風腎・動脈硬化であり、胆石ではない
  • 重要用語: 痛風発作、第1MTP関節、尿酸塩結晶、痛風結節(tophi)、コルヒチン を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 内容
病態 尿酸塩結晶の関節沈着→好中球の貪食反応→急性炎症
好発 成人男性(男女比約9:1)
好発部位 第1中足趾節関節(母趾MTP関節):約70%
発作時治療 コルヒチン(前兆期)、NSAIDs、副腎皮質ステロイド
高尿酸治療 尿酸生成阻害薬(アロプリノール)、尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン)
合併症 尿管結石、痛風腎、動脈硬化、痛風結節
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題68|痛風について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題68|痛風について正しいのはどれか。
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