学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ D. 尿酸代謝異常 / Q0579

理由で解く 臨床医学各論

Q0579 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題77
問題
疾患と原因との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 成人T細胞白血病 ― ウイルス
2 血友病 ― 血小板減少
3 粘液水腫 ― 甲状腺機能低下
4 痛風 ― 高尿酸血症
解答
正解2(血友病-血小板減少)
解説
✗ 1.
成人T細胞白血病 ― ウイルス
✗ 正しい。成人T細胞白血病(ATL)はHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)の感染が原因である。主な感染経路は母乳を介した垂直感染であり、キャリアの約5%が発症する。九州・沖縄地方に多い。CD4陽性T細胞が腫瘍化し、末梢血に花弁状核を持つ異常リンパ球がみられる。
✓ 2. 誤り
血友病 ― 血小板減少
血友病の原因は血小板減少ではなく、凝固因子の先天的欠乏(X染色体劣性遺伝)である。血友病Aは第VIII因子欠乏、血友病Bは第IX因子欠乏による。血友病では血小板数は正常であり、出血時間も正常であるが、APTTが延長する。一次止血(血小板による)は正常で、二次止血(凝固因子による)が障害される。
✗ 3.
粘液水腫 ― 甲状腺機能低下
✗ 正しい。粘液水腫は甲状腺機能低下症の進行した病態であり、甲状腺ホルモン(T3、T4)の分泌が著しく低下する。全身の代謝低下、非圧痕性浮腫(ムコ多糖類の組織蓄積)、寒がり、便秘、徐脈、体重増加などを呈する。
✗ 4.
痛風 ― 高尿酸血症
✗ 正しい。痛風は高尿酸血症(血清尿酸値7.0mg/dL以上)を基盤とし、尿酸ナトリウム結晶が関節内に沈着して急性関節炎を起こす。プリン体代謝異常による尿酸の産生過剰または排泄低下が原因である。
ポイント
  • 血友病は凝固因子欠乏による疾患であり、血小板数は正常である。「血友病=血小板減少」というひっかけに注意。
  • 止血機構における一次止血(血小板)と二次止血(凝固因子)の違いを理解しておくこと。血小板減少症はITP(特発性血小板減少性紫斑病)などが該当する。
  • 重要用語: 血友病、凝固因子欠乏(第VIII因子・第IX因子)、APTT延長、HTLV-1、粘液水腫 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 正しい原因 補足
成人T細胞白血病 HTLV-1感染 母乳感染、九州に多い
血友病A 第VIII因子欠乏 X染色体劣性遺伝、APTT延長
血友病B 第IX因子欠乏 X染色体劣性遺伝、APTT延長
粘液水腫 甲状腺機能低下 非圧痕性浮腫、代謝低下
痛風 高尿酸血症 尿酸ナトリウム結晶沈着
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題77|疾患と原因との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題77|疾患と原因との組合せで誤っているのはどれか。
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