学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ B. 脂質代謝異常 / Q0574

理由で解く 臨床医学各論

Q0574 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第17回(2009) 問題73
問題
「56歳の男性。半年前から日中の眠気、倦怠感、集中力障害が出現している。ウエスト周囲径120cm、血清トリグリセリド値250mg/dl、収縮期血圧170mmHg。」最初に行うのはどれか。
選択肢
1 食事療法
2 行動療法
3 薬物療法
4 手術療法
解答
正解1(食事療法)
解説
✓ 1. 正しい
食事療法
睡眠時無呼吸症候群でウエスト周囲径120cmの高度肥満がある場合、根本的な治療の基盤として最初に食事療法による減量を行うべきである。肥満が上気道狭窄の主因であり、体重を5〜10%減少させるだけでも無呼吸の頻度と重症度が有意に改善することが示されている。同時に脂質異常症・高血圧の改善にも寄与する。
✗ 2. 誤り
行動療法
行動療法(飲酒制限、就寝体位の工夫、禁煙指導など)は補助的に有用であるが、高度肥満に伴うOSASでは、まず食事療法による減量が最優先される。なお、CPAP(持続陽圧呼吸)療法は重症OSASに対する標準治療として広く用いられるが、肥満の根本解決にはならない。
✗ 3. 誤り
薬物療法
薬物療法(降圧薬やスタチン系薬剤など)は合併する高血圧や脂質異常症に対して必要に応じて使用されるが、OSAS自体に対する根本的治療ではない。まず生活習慣の改善(食事療法・運動療法)を行った上で、必要に応じて薬物を併用する。
✗ 4. 誤り
手術療法
手術療法(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術〔UPPP〕や減量手術〔bariatric surgery〕など)は、食事療法・CPAP療法などの保存的治療で効果が不十分な場合に検討される最終手段であり、最初に行う治療としては適切でない。
ポイント
  • 肥満に伴うOSASの治療では食事療法による減量が最初かつ最も重要な介入である。減量によりOSAS・高血圧・脂質異常症のすべてが改善しうる。
  • CPAP療法は中等症〜重症のOSASに対する標準治療として用いられるが、根本的には肥満の改善が必要である。
  • 重要用語: 食事療法、減量、CPAP療法、UPPP、閉塞性睡眠時無呼吸症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
治療法 内容 位置づけ
食事療法・運動療法 減量(体重5〜10%減少目標) 第一選択(最優先)
CPAP療法 睡眠中に持続陽圧で気道確保 中等症〜重症の標準治療
口腔内装置 マウスピースで下顎を前方に保持 軽症〜中等症に適応
手術療法(UPPP等) 軟口蓋・咽頭の形成術 保存療法無効時の最終手段
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題73|「56歳の男性。半年前から日中の眠気、倦怠感、集中力障害が出現している。ウエスト周囲径120cm、血清トリグリセリド値250mg/dl、収縮期血圧170mmHg。」最初に行うのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題73|「56歳の男性。半年前から日中の眠気、倦怠感、集中力障害が出現している。ウエスト周囲径120cm、血清トリグリセリド値250mg/dl、収縮期血圧170mmHg。」最初に行うのはどれか。
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