学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ B. 脂質代謝異常 / Q0573

理由で解く 臨床医学各論

Q0573 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第17回(2009) 問題72
問題
「56歳の男性。半年前から日中の眠気、倦怠感、集中力障害が出現している。ウエスト周囲径120cm、血清トリグリセリド値250mg/dl、収縮期血圧170mmHg。」最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 脳梗塞
2 狭心症
3 睡眠時無呼吸症候群
4 痛風
解答
正解3(睡眠時無呼吸症候群)
解説
✗ 1. 誤り
脳梗塞
脳梗塞は突然発症する神経学的局所症状(片麻痺、構音障害、失語など)が特徴であり、日中の眠気や集中力障害が半年間にわたり緩徐に持続する経過とは明らかに異なる。本症例の経過は脳梗塞の臨床像に合致しない。
✗ 2. 誤り
狭心症
狭心症は労作時の胸部圧迫感・胸痛が主症状であり、安静時またはニトログリセリンで軽快する。日中の眠気や倦怠感、集中力障害を主訴とする病態の直接的な原因とはならない。ただし本症例は肥満・高トリグリセリド血症・高血圧があり、将来的に狭心症を発症するリスクは高い。
✓ 3. 正しい
睡眠時無呼吸症候群
56歳男性でウエスト周囲径120cm(高度内臓肥満)に加え、日中の過度な眠気・倦怠感・集中力障害が半年間持続していることから、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が最も考えられる。肥満による上気道狭窄が睡眠中の無呼吸・低呼吸を繰り返し、睡眠の質が著しく低下する。また高TG血症や高血圧もメタボリックシンドロームの所見としてOSASに合併しやすい。
✗ 4. 誤り
痛風
痛風は高尿酸血症が基盤となり、関節(特に母趾MTP関節)に尿酸塩結晶が沈着して急性関節炎を引き起こす疾患である。日中の眠気や集中力障害の直接的原因とはならない。
ポイント
  • 睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の三大症状は「いびき」「日中の過度な眠気」「無呼吸の目撃」であり、肥満中年男性に好発する。
  • 肥満+高トリグリセリド血症+高血圧はメタボリックシンドロームの構成要素であり、OSASとの合併が多い。
  • 重要用語: 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)、内臓肥満、メタボリックシンドローム、日中の過度な眠気 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 本症例の所見 判定
ウエスト周囲径 120cm 内臓肥満(男性≧85cmで該当)
血清トリグリセリド 250mg/dL 高TG血症(≧150mg/dLで該当)
収縮期血圧 170mmHg 高血圧(≧130mmHgで該当)
主症状 日中の眠気・倦怠感・集中力障害 OSAS示唆
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題72|「56歳の男性。半年前から日中の眠気、倦怠感、集中力障害が出現している。ウエスト周囲径120cm、血清トリグリセリド値250mg/dl、収縮期血圧170mmHg。」最も考えられるのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題72|「56歳の男性。半年前から日中の眠気、倦怠感、集中力障害が出現している。ウエスト周囲径120cm、血清トリグリセリド値250mg/dl、収縮期血圧170mmHg。」最も考えられるのはどれか。
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