学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0544

理由で解く 臨床医学各論

Q0544 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題82
問題
糖尿病性網膜症について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 失明の原因となる。
2 レーザーによる光凝固治療が行われる。
3 硝子体出血をきたす。
4 閃輝暗点がみられる。
解答
正解4(閃輝暗点がみられる)
解説
✗ 1.
失明の原因となる。
✗ 正しい。糖尿病性網膜症は進行すると失明の原因となる重要な合併症である。わが国の中途失明原因の第2位を占めており、糖尿病の三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)の一つとして極めて重要である。高血糖の持続により網膜の細小血管が障害され、最終的に不可逆的な視力障害に至る。
✗ 2.
レーザーによる光凝固治療が行われる。
✗ 正しい。増殖前網膜症や増殖網膜症に対しては、網膜光凝固術(レーザー治療)が行われる。虚血網膜をレーザーで焼灼することにより、血管内皮増殖因子(VEGF)の産生を抑制し、新生血管の発生・進行を防ぐ。汎網膜光凝固(PRP)は増殖網膜症への進行を約50%抑制するとされ、標準的治療法である。
✗ 3.
硝子体出血をきたす。
✗ 正しい。増殖網膜症では網膜表面に脆弱な新生血管が形成され、これが破綻することにより硝子体出血をきたす。硝子体出血は急激な視力低下の原因となり、高度な場合は硝子体手術が必要となる。新生血管は正常血管と異なり壁が脆く、容易に出血する。
✓ 4. 誤り
閃輝暗点がみられる。
閃輝暗点は片頭痛の前兆(アウラ)として出現する視覚症状であり、視野にギザギザした光(城壁様の光)が広がる現象である。大脳皮質の視覚野における皮質拡延性抑制(CSD)が原因とされる。糖尿病性網膜症の症状は飛蚊症、視力低下、視野欠損であり、閃輝暗点はみられない。
ポイント
  • 糖尿病性網膜症は糖尿病の三大合併症(細小血管障害)の一つであり、わが国の中途失明の主要原因である。
  • 網膜症の進行段階:単純網膜症(毛細血管瘤、点状出血)→増殖前網膜症(軟性白斑)→増殖網膜症(新生血管、硝子体出血)。
  • 閃輝暗点は片頭痛に伴う視覚性前兆であり、糖尿病性網膜症とは無関係である。
  • 重要用語: 硝子体出血、網膜光凝固術、新生血管、閃輝暗点(片頭痛の前兆) を正確に理解しておくこと。
比較表
病期 眼底所見 治療
単純網膜症 毛細血管瘤、点状出血、硬性白斑 血糖コントロール、経過観察
増殖前網膜症 軟性白斑、静脈異常、網膜内細小血管異常 網膜光凝固術
増殖網膜症 新生血管、硝子体出血、牽引性網膜剥離 網膜光凝固術、硝子体手術
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題82|糖尿病性網膜症について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題82|糖尿病性網膜症について誤っている記述はどれか。
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