学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q0539

理由で解く 臨床医学各論

Q0539 代謝・栄養疾患

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題87
問題
糖尿病の3大合併症でないのはどれか。
選択肢
1 網膜症
2 心筋症
3 腎症
4 末梢神経障害
解答
正解2(心筋症)
解説
✗ 1.
網膜症
✗ 正しい。糖尿病性網膜症は糖尿病三大合併症の一つである。網膜の細小血管障害により、単純網膜症(毛細血管瘤・点状出血・硬性白斑)→増殖前網膜症(軟性白斑・静脈数珠状拡張)→増殖網膜症(新生血管・硝子体出血・牽引性網膜剥離)と進行し、成人の失明原因の上位を占める重要な合併症である。早期には自覚症状がないため、定期的な眼底検査が必須である。
✓ 2. 誤り
心筋症
心筋症は糖尿病三大合併症には含まれない。糖尿病三大合併症は細小血管障害に基づく「網膜症・腎症・末梢神経障害」である。心筋症は拡張型心筋症(心筋の菲薄化・拡張)や肥大型心筋症(心筋の肥大)などの心筋自体の疾患であり、糖尿病の直接的な合併症ではない。糖尿病では大血管障害として動脈硬化が促進され、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)を合併しやすいが、これは心筋症とは別の病態である。
✗ 3.
腎症
✗ 正しい。糖尿病性腎症は糖尿病三大合併症の一つであり、わが国の透析導入原因の第1位(約40%)を占める。糸球体の細小血管障害により、微量アルブミン尿→顕性蛋白尿→ネフローゼ→腎不全→透析と進行する。血糖・血圧コントロールとたんぱく質制限食が進展抑制に重要である。
✗ 4.
末梢神経障害
✗ 正しい。末梢神経障害は糖尿病三大合併症の一つであり、三大合併症の中で最も早期に出現する。高血糖によるソルビトール蓄積と微小血管障害により末梢神経が障害され、左右対称性の手袋靴下型感覚障害(しびれ・疼痛・感覚鈍麻)や自律神経障害(起立性低血圧・勃起障害・便秘・下痢・発汗異常)を呈する。
ポイント
  • 糖尿病三大合併症は「し・め・じ」(神経障害・眼=網膜症・腎症)と覚える。いずれも細小血管障害が共通の病態基盤であり、心筋症は含まれない。
  • 心筋症と冠動脈疾患を混同しない:心筋症は心筋自体の疾患(拡張型・肥大型など、原因不明も多い)、冠動脈疾患は動脈硬化による心筋虚血(狭心症・心筋梗塞)。糖尿病で合併しやすいのは後者(大血管障害)。
  • 重要用語: 三大合併症、網膜症、腎症、末梢神経障害、心筋症、冠動脈疾患 を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 具体的合併症 病態 覚え方
細小血管障害(三大合併症) 神経障害 ソルビトール蓄積+栄養血管障害 「し」
網膜症 網膜細小血管障害 「め」
腎症 糸球体細小血管障害 「じ」
大血管障害 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞) 動脈硬化 「え」
脳血管障害(脳梗塞) 動脈硬化 「の」
末梢動脈閉塞(ASO) 動脈硬化 「き」
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題87|糖尿病の3大合併症でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題87|糖尿病の3大合併症でないのはどれか。
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