学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0525

理由で解く 臨床医学各論

Q0525 内分泌疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題62
問題
褐色細胞腫で減少・低下するのはどれか。
選択肢
1 血圧
2 体重
3 発汗
4 脈拍
解答
正解2(体重)
解説
✗ 1. 誤り
血圧
褐色細胞腫では血圧は減少・低下ではなく上昇する。副腎髄質(または傍神経節)の腫瘍からカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)が過剰に分泌され、α1受容体を介した血管収縮により著明な高血圧(発作性または持続性)をきたす。 二次性高血圧の原因疾患として重要であり、手術による腫瘍摘出で血圧は正常化しうる。 血圧は上昇する。
✓ 2. 正しい
体重
褐色細胞腫では体重が減少する。カテコールアミンの過剰分泌により基礎代謝が著しく亢進し、β3受容体を介した脂肪分解(リポリシス)が促進されるため体重減少をきたす。 高血圧・頭痛・発汗・動悸・体重減少が褐色細胞腫の主要症状である。 代謝亢進による高血糖もみられることがあり、エネルギー消費の増大と食欲低下が体重減少に寄与する。
✗ 3. 誤り
発汗
褐色細胞腫では発汗は減少ではなく増加(発汗過多)する。カテコールアミンが交感神経を活性化し、エクリン汗腺を刺激するため多量の発汗がみられる。 発汗過多(Hyperhidrosis)は褐色細胞腫の3大主訴の一つ(3H)であり、特に発作時に著明となる。 発汗は増加する。
✗ 4. 誤り
脈拍
褐色細胞腫では脈拍は低下ではなく増加(頻脈)する。カテコールアミンがβ1受容体を刺激して心拍数を増加させるため、頻脈・動悸が出現する。 持続的な頻脈により心不全をきたすこともあり、たこつぼ型心筋症の原因としても知られる。 脈拍は増加する。
ポイント
  • 褐色細胞腫ではカテコールアミン過剰により、血圧上昇・頻脈・発汗過多・頭痛が出現し、体重のみが減少する。「減少・低下するもの」を問われた場合は体重を選択する
  • 5Hの覚え方が有用: Hypertension(高血圧), Headache(頭痛), Hyperhydrosis(発汗過多), Hyperglycemia(高血糖), Hypermetabolism(代謝亢進)
  • 褐色細胞腫による体重減少はバセドウ病と共通する症状であり、どちらも代謝亢進が原因。副腎腫瘍の有無や甲状腺ホルモン値で鑑別する
  • 重要用語: カテコールアミン, 褐色細胞腫, 二次性高血圧, 体重減少, 5H を正確に理解しておくこと
比較表
症状 褐色細胞腫での変化 機序
血圧 上昇(著明な高血圧) α1受容体による血管収縮
体重 減少 基礎代謝亢進・脂肪分解促進
発汗 増加(発汗過多) 交感神経刺激(エクリン汗腺)
脈拍 増加(頻脈) β1受容体刺激(心拍数増加)
血糖 上昇(高血糖) 糖新生促進・インスリン分泌抑制
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題62|褐色細胞腫で減少・低下するのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題62|褐色細胞腫で減少・低下するのはどれか。
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