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理由で解く 臨床医学各論

Q0369 呼吸器疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題61
問題
肺癌の隣接臓器への浸潤により起こるのはどれか。
選択肢
1 ダンピング症候群
2 ネフローゼ症候群
3 クッシング症候群
4 パンコースト症候群
解答
正解4(パンコースト症候群)
解説
✗ 1. 誤り
ダンピング症候群
ダンピング症候群は胃切除後に食物が急速に小腸に流入することで生じる合併症である。 早期ダンピング(食後30分以内の腹部症状・循環器症状)は高浸透圧の食物による循環血液量減少が原因で、後期ダンピング(食後2-3時間の低血糖症状)は過剰なインスリン分泌が原因である。 肺癌の浸潤とは無関係。
✗ 2. 誤り
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は糸球体の障害により大量の蛋白が尿中に漏出する腎疾患であり、高度蛋白尿・低アルブミン血症・浮腫・高脂血症が特徴である。 膜性腎症は悪性腫瘍に合併することがあるが、隣接臓器への直接浸潤とは異なるメカニズムである。 肺癌の隣接臓器浸潤によるものではない。
✗ 3. 誤り
クッシング症候群
クッシング症候群はコルチゾール過剰による症候群であり、隣接臓器への直接浸潤ではない。 肺小細胞癌が異所性にACTHを産生する場合にクッシング症候群をきたすことがあるが、これは浸潤ではなく腫瘍随伴症候群(パラネオプラスティック症候群)に分類される。 浸潤と腫瘍随伴症候群の違いを明確に区別すること。
✓ 4. 正しい
パンコースト症候群
パンコースト症候群は肺尖部(肺上溝部)に発生した肺癌が隣接する腕神経叢・交感神経節・鎖骨下動脈などに直接浸潤することで生じる。 上肢の疼痛・しびれ(腕神経叢浸潤)、ホルネル症候群(縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹、交感神経節浸潤)が特徴的である。 肺癌の隣接臓器浸潤による症候群の代表例であり、パンコースト腫瘍は主に非小細胞癌(扁平上皮癌など)で多い。
ポイント
  • パンコースト症候群は肺尖部癌の隣接臓器「浸潤」による症候群であり、クッシング症候群(異所性ACTH産生)やADH不適切分泌症候群(SIADH)は腫瘍随伴症候群(ホルモン産生)である点を区別すること
  • ホルネル症候群の三徴(縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹)は交感神経の障害を反映する所見であり、パンコースト腫瘍以外にも頸部の外傷・手術などで生じうる
  • 肺癌の腫瘍随伴症候群として異所性ACTH産生(クッシング症候群)・SIADH・高Ca血症(PTHrP産生)が重要である
  • 重要用語: パンコースト症候群, 肺尖部癌, ホルネル症候群, 腕神経叢浸潤, 腫瘍随伴症候群 を正確に理解しておくこと
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題61|肺癌の隣接臓器への浸潤により起こるのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題61|肺癌の隣接臓器への浸潤により起こるのはどれか。
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