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理由で解く 臨床医学各論

Q0356 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題66
問題
原発性肺癌が頸部交感神経節に浸潤した場合にみられるのはどれか。
選択肢
1 うっ血乳頭
2 血痰
3 眼裂狭小
4 女性化乳房
解答
正解3(眼裂狭小)
解説
✗ 1. 誤り
うっ血乳頭
うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進の所見であり、脳腫瘍や脳転移などによる頭蓋内圧上昇時にみられる。 頸部交感神経節への浸潤とは関連しない。 眼底検査で視神経乳頭の腫脹として確認される所見である。
✗ 2. 誤り
血痰
血痰は肺癌の気道内腫瘍からの出血による一般的な呼吸器症状であり、頸部交感神経節への浸潤に特異的な症状ではない。 中枢気道に発生した中心型肺癌(扁平上皮癌など)で認められやすく、喀痰細胞診の対象となる。
✓ 3. 正しい
眼裂狭小
原発性肺癌(特に肺尖部のパンコースト腫瘍)が頸部交感神経節に浸潤すると、ホルネル症候群をきたす。 ホルネル症候群では交感神経の障害により、病側の縮瞳・眼瞼下垂(眼裂狭小)・眼球陥凹・無汗症が出現する。 眼裂狭小は上眼瞼のミュラー筋(交感神経支配)の機能低下により眼瞼が下垂することで生じる。
✗ 4. 誤り
女性化乳房
女性化乳房はエストロゲン過剰や内分泌異常によるものであり、頸部交感神経節への浸潤とは無関係である。 肝硬変やホルモン産生腫瘍、薬剤性(スピロノラクトンなど)で認められる所見であり、肺癌の局所浸潤症状ではない。
ポイント
  • 肺尖部癌(パンコースト腫瘍)が頸部交感神経節に浸潤するとホルネル症候群(縮瞳・眼裂狭小・眼球陥凹・無汗症)をきたす。
  • 眼裂狭小は交感神経障害によるミュラー筋の機能低下が原因であり、動眼神経麻痺による眼瞼下垂とは機序が異なる。
  • ホルネル症候群は交感神経の障害で生じるものであり、迷走神経や反回神経の障害(嗄声)とは区別する。
  • 重要用語: パンコースト腫瘍, ホルネル症候群, 眼裂狭小, 縮瞳, 交感神経 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 原因 交感神経浸潤との関連
眼裂狭小(眼瞼下垂) ホルネル症候群 直接関連あり
縮瞳 ホルネル症候群 直接関連あり
眼球陥凹 ホルネル症候群 直接関連あり
無汗症 ホルネル症候群 直接関連あり
うっ血乳頭 頭蓋内圧亢進 関連なし
血痰 気道内腫瘍出血 関連なし
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題66|原発性肺癌が頸部交感神経節に浸潤した場合にみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題66|原発性肺癌が頸部交感神経節に浸潤した場合にみられるのはどれか。
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