学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q0357

理由で解く 臨床医学各論

Q0357 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題70
問題
肺癌の所見と浸潤部位との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 嗄声 ― 反回神経
2 顔面浮腫 ― 上大静脈
3 縮瞳 ― 迷走神経
4 呼吸困難 ― 気管支
解答
正解3(縮瞳 ― 迷走神経)
解説
✗ 1.
嗄声 ― 反回神経
✗ 正しい。反回神経(迷走神経の枝)が肺癌に浸潤されると声帯麻痺をきたし、嗄声(かすれ声)が生じる。 特に左反回神経は大動脈弓を迂回して走行するため、左肺門部の腫瘍やリンパ節転移により障害されやすい。 この組合せは正しいため、誤っている選択肢には該当しない。
✗ 2.
顔面浮腫 ― 上大静脈
✗ 正しい。上大静脈が肺癌に圧迫・浸潤されると静脈還流障害が生じ、上大静脈症候群として顔面浮腫・頸静脈怒張・上肢浮腫が出現する。 右上葉の肺癌や縦隔リンパ節転移で起こりやすく、朝方に症状が増悪する特徴がある。 この組合せは正しいため、誤っている選択肢には該当しない。
✓ 3. 誤り
縮瞳 ― 迷走神経
縮瞳はホルネル症候群の一部であり、交感神経(星状神経節)への浸潤で生じるものであって、迷走神経の浸潤ではない。 肺尖部癌(パンコースト腫瘍)が交感神経節に浸潤すると、瞳孔散大筋への交感神経入力が障害されて縮瞳をきたす。 迷走神経浸潤で生じるのは嗄声(反回神経は迷走神経の枝)であり、縮瞳とは無関係である。
✗ 4.
呼吸困難 ― 気管支
✗ 正しい。肺癌が気管支に浸潤して気道を狭窄・閉塞すると呼吸困難が生じる。 気道閉塞により無気肺や閉塞性肺炎を合併することもあり、呼吸困難は肺癌の代表的な呼吸器症状である。 この組合せは正しいため、誤っている選択肢には該当しない。
ポイント
  • 縮瞳(ホルネル症候群)は交感神経への浸潤で生じるものであり、迷走神経の浸潤ではない。
  • 嗄声は反回神経(迷走神経の枝)、顔面浮腫は上大静脈、呼吸困難は気管支への浸潤で生じる。
  • 肺癌の浸潤部位と臨床所見の対応関係は頻出事項であり、特に交感神経と迷走神経(反回神経)の区別が重要である。
  • 重要用語: 縮瞳, 交感神経, ホルネル症候群, 反回神経, 上大静脈症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 正しい浸潤部位 誤った組合せ
嗄声 反回神経(正しい)
顔面浮腫 上大静脈(正しい)
縮瞳 交感神経(星状神経節) 迷走神経は誤り
呼吸困難 気管支(正しい)
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題70|肺癌の所見と浸潤部位との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題70|肺癌の所見と浸潤部位との組合せで誤っているのはどれか。
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