学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q0352

理由で解く 臨床医学各論

Q0352 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題74
問題
過換気症候群の症状とその病態との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 呼吸困難 ― 動脈血二酸化炭素分圧の低下
2 失神発作 ― 脳血流量の増加
3 テタニー症状 ― 血中カルシウム低下
4 手足のしびれ ― アルカローシス
解答
正解2(失神発作 - 脳血流量の増加)
解説
✗ 1.
呼吸困難 ― 動脈血二酸化炭素分圧の低下
✗ 正しい。過換気によりCO2が過度に排出されると動脈血CO2分圧(PaCO2)が低下し、呼吸困難感が生じる。 PaCO2の低下自体が呼吸中枢に影響を与え、息苦しさを自覚させる。この組合せは正しい。
✓ 2. 誤り
失神発作 ― 脳血流量の増加
過換気症候群での失神発作は脳血流量の増加ではなく、減少によって生じる。 過換気でCO2が過度に排出されると呼吸性アルカローシスとなり、脳血管が収縮して脳血流量が減少する。 その結果、脳への酸素供給が低下して失神をきたす。脳血流量の増加ではなく減少が正しい病態である。
✗ 3.
テタニー症状 ― 血中カルシウム低下
✗ 正しい。呼吸性アルカローシスによりアルブミンとカルシウムの結合が増加し、血中のイオン化カルシウム(遊離Ca)が低下してテタニー症状が出現する。 手指の硬直(助産師の手)やカルポペダルスパスムが特徴的である。この組合せは正しい。
✗ 4.
手足のしびれ ― アルカローシス
✗ 正しい。呼吸性アルカローシスにより末梢神経の興奮性が変化し、手足のしびれ(四肢末梢のしびれ感)が生じる。 アルカローシスがしびれの原因であり、この組合せは正しい。
ポイント
  • 過換気症候群での失神は脳血流量の減少(脳血管収縮)によるものであり、増加ではない。過換気→CO2排出過多→呼吸性アルカローシス→脳血管収縮→脳血流減少→失神という病態の流れを理解する。
  • テタニー症状はアルカローシスによるイオン化カルシウム低下が原因であり、手足のしびれもアルカローシスによる末梢神経の興奮性変化である。
  • CO2は脳血管を拡張させる作用があり、CO2低下は脳血管収縮をきたす。この点が「脳血流量の増加」ではなく「減少」となる理由である。
  • 重要用語: 過換気症候群, 呼吸性アルカローシス, 脳血管収縮, イオン化カルシウム低下, テタニー を正確に理解しておくこと。
比較表
症状 病態
呼吸困難 PaCO2低下
失神発作 脳血管収縮による脳血流量の減少(増加ではない)
テタニー症状 呼吸性アルカローシスによるイオン化Ca低下
手足のしびれ 呼吸性アルカローシス
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題74|過換気症候群の症状とその病態との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題74|過換気症候群の症状とその病態との組合せで誤っているのはどれか。
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