学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q0347

理由で解く 臨床医学各論

Q0347 呼吸器疾患

出典:あマ指 第2回(1994) 問題78
問題
肺癌と関係のない症状はどれか。
選択肢
1 胸痛
2 吐血
3 声がれ
4 胸水
解答
正解2(吐血)
解説
✗ 1.
胸痛
✗ 正しい。肺癌が壁側胸膜や胸壁に直接浸潤すると胸痛が生じる。 進行癌では持続性の鈍痛がみられ、骨転移による疼痛も出現しうる。肺癌に関係する症状である。
✓ 2. 誤り
吐血
吐血は食道・胃・十二指腸などの上部消化管からの出血が口腔から排出されるものであり、肺癌の症状ではない。 肺癌による気道からの出血は喀血として現れ、咳とともに血液が喀出される。 吐血と喀血は出血の起源が異なり、吐血は暗赤色で食物残渣を含むのに対し、喀血は鮮紅色で泡沫状であることが多い。
✗ 3.
声がれ
✗ 正しい。肺癌(特に左肺門部の腫瘍)が反回神経に浸潤すると声帯麻痺をきたし、嗄声(声がれ)を生じる。 左反回神経は大動脈弓を迂回して走行するため、左肺門部の腫瘍やリンパ節転移により障害されやすい。
✗ 4.
胸水
✗ 正しい。肺癌が胸膜に播種すると癌性胸膜炎をきたし、胸水が貯留する。 胸痛は認めないことが多く、胸水の圧迫による胸部違和感や呼吸困難で発見されることが多い。
ポイント
  • 吐血は上部消化管からの出血であり、肺癌の症状ではない。肺癌による出血は喀血として現れる。吐血と喀血の鑑別は臨床上重要である。
  • 肺癌では胸痛(胸壁浸潤)、嗄声(反回神経浸潤)、胸水(癌性胸膜炎)、喀血(気道内出血)など多彩な症状が出現しうる。
  • 肺癌の組織型として腺癌(肺野・最多)、扁平上皮癌(肺門)、小細胞癌(化学療法が主体)などがあり、それぞれ好発部位と症状が異なる。
  • 重要用語: 吐血, 喀血, 嗄声, 反回神経浸潤, 癌性胸膜炎 を正確に理解しておくこと。
比較表
症状 肺癌との関係 機序
胸痛 あり 胸壁・壁側胸膜への直接浸潤
吐血 なし 上部消化管出血であり肺癌とは無関係
声がれ(嗄声) あり 反回神経への浸潤による声帯麻痺
胸水 あり 癌性胸膜炎による胸水貯留
喀血 あり 気道内腫瘍からの出血
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題78|肺癌と関係のない症状はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題78|肺癌と関係のない症状はどれか。
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