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理由で解く 臨床医学各論

Q0338 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題71
問題
肺癌の隣接臓器への浸潤による症状でないのはどれか。
選択肢
1 嚥下障害
2 散瞳
3 嗄声
4 頸部静脈怒張
解答
正解2(散瞳)
解説
✗ 1.
嚥下障害
✗ 正しい。肺癌が食道に直接浸潤すると食道内腔の狭窄や食道運動障害が生じ、嚥下障害をきたす。特に食道に近接する左肺の癌で生じやすい。進行性の嚥下困難が出現する。
✓ 2. 誤り
散瞳
散瞳(瞳孔散大)は肺癌の浸潤では通常みられない。肺尖部の腫瘍(パンコースト腫瘍、肺尖部胸壁浸潤癌)が星状神経節を含む交感神経を障害すると、逆にホルネル症候群(Horner症候群)を呈する。ホルネル症候群の3徴は縮瞳(瞳孔縮小)・眼瞼下垂・眼球陥凹であり、散瞳ではなく縮瞳が特徴である。
✗ 3.
嗄声
✗ 正しい。肺癌(特に左肺癌)が反回神経に浸潤・圧迫すると、声帯麻痺が生じて嗄声(させい:しわがれ声)をきたす。反回神経は左側では大動脈弓の下を回るため、左肺門部の癌で障害されやすい。嗄声は肺癌の重要な浸潤症状である。
✗ 4.
頸部静脈怒張
✗ 正しい。肺癌が上大静脈を圧迫・浸潤すると上大静脈症候群が生じる。上大静脈からの静脈還流が障害されるため、頸部静脈怒張・顔面浮腫・上肢浮腫・頭痛などが出現する。右肺上葉の癌や縦隔リンパ節転移で生じやすい。
ポイント
  • ホルネル症候群の3徴:縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹(散瞳ではない)
  • 肺癌の浸潤症状:嗄声(反回神経)、嚥下障害(食道)、上大静脈症候群(頸部静脈怒張)、ホルネル症候群(交感神経)
  • パンコースト腫瘍は肺尖部癌で、交感神経・腕神経叢を侵す
  • 重要用語: ホルネル症候群、縮瞳、上大静脈症候群、反回神経麻痺 を正確に理解しておくこと。
比較表
浸潤部位 症状 機序
反回神経 嗄声 声帯麻痺
食道 嚥下障害 食道狭窄
上大静脈 頸部静脈怒張、顔面浮腫 静脈還流障害
交感神経 ホルネル症候群(縮瞳) 交感神経障害
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題71|肺癌の隣接臓器への浸潤による症状でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題71|肺癌の隣接臓器への浸潤による症状でないのはどれか。
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