学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ C. 拘束性呼吸器疾患 / Q0335

理由で解く 臨床医学各論

Q0335 呼吸器疾患

出典:あマ指 第24回(2016) 問題78
問題
特発性肺線維症について正しいのはどれか。
選択肢
1 湿性咳嗽がみられる。
2 樽状胸がみられる。
3 拘束性換気障害を呈する。
4 予後は良好である。
解答
正解3(拘束性換気障害を呈する。)
解説
✗ 1. 誤り
湿性咳嗽がみられる。
特発性肺線維症でみられる咳嗽は乾性咳嗽であり、湿性咳嗽ではない。 肺胞隔壁の線維化による刺激が原因であり、気道分泌物の増加を伴わないため痰を伴わない乾いた咳が特徴的である。
✗ 2. 誤り
樽状胸がみられる。
樽状胸は肺気腫(COPD)における肺の過膨脹により前後径が増大した所見であり、特発性肺線維症ではみられない。 特発性肺線維症では肺が線維化により縮小する方向の変化をきたすため、過膨脹とは逆の病態である。
✓ 3. 正しい
拘束性換気障害を呈する。
特発性肺線維症では肺胞隔壁の線維化により肺のコンプライアンス(柔らかさ)が低下し、肺が十分に膨らまなくなる。 その結果、肺活量が低下し、拘束性換気障害を呈する。 肺機能検査では%肺活量の低下と拡散能(DLco)の低下が特徴的所見であり、1秒率は保たれるかむしろ上昇する。
✗ 4. 誤り
予後は良好である。
特発性肺線維症は5年間で約半数が呼吸不全にて死亡する予後不良な疾患である。 肺の線維化は不可逆的に進行し、根本的な治療法は確立されていない。抗線維化薬(ピルフェニドン等)は進行を遅らせるのみである。
ポイント
  • 特発性肺線維症は肺胞隔壁の線維化により拘束性換気障害を呈する。乾性咳嗽が特徴であり、樽状胸は肺気腫の所見である。
  • 5年間で約半数が呼吸不全にて死亡する予後不良な疾患であり、閉塞性換気障害をきたす肺気腫との違いを明確に理解する。
  • 聴診でベルクロラ音(fine crackles)が聴取され、ばち指の合併もみられる。
  • 重要用語: 特発性肺線維症, 拘束性換気障害, 乾性咳嗽, 肺コンプライアンス低下 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 特発性肺線維症 肺気腫(COPD)
咳嗽の性状 乾性咳嗽 湿性咳嗽(痰を伴う)
胸郭所見 正常~縮小 樽状胸(過膨脹)
換気障害 拘束性(肺活量低下) 閉塞性(1秒率低下)
予後 不良(5年生存率約50%) 緩徐に進行
解説画像
あマ指 第24回(2016) 問題78|特発性肺線維症について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第24回(2016) 問題78|特発性肺線維症について正しいのはどれか。
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