学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0293

理由で解く 臨床医学各論

Q0293 呼吸器疾患

出典:あマ指 第10回(2002) 問題77
問題
肺気腫でみられない所見はどれか。
選択肢
1 ビール樽状胸郭
2 打診で鼓音
3 呼吸音減弱
4 触診で皮下気腫
解答
正解4(触診で皮下気腫)
解説
✗ 1.
ビール樽状胸郭
✗ 正しい。肺気腫では肺の過膨脹により胸郭の前後径が増大し、ビール樽状胸郭(樽状胸)を呈する。 呼気時に空気を十分に排出できないため残気量が増加し、胸郭が持続的に拡大した状態となる。 X線写真では横隔膜の平低化と肋間腔の開大も認められる。
✗ 2.
打診で鼓音
✗ 正しい。肺気腫では肺の含気量が著明に増大しているため、打診で鼓音(過共鳴音)が聴取される。 正常肺では清音であるが、肺気腫では過膨脹した肺が太鼓のような鼓音を呈する。 これは肺胞壁の破壊により広範な気腔が形成されていることを反映している。
✗ 3.
呼吸音減弱
✗ 正しい。肺気腫では肺胞壁の破壊と肺の過膨脹により呼吸音が減弱する。 呼気時の気流低下により呼気が延長し、聴診上は全体的に呼吸音が小さくなる。 重症例では「silent chest(無音肺)」に近い状態となることもある。
✓ 4. 誤り
触診で皮下気腫
皮下気腫は肺気腫の所見ではない。皮下気腫は気胸や外傷で胸膜や気管が損傷され、空気が皮下組織に漏出した場合にみられる所見である。 触診で捻髪音(雪を握るような感触)が特徴的であり、握雪感とも呼ばれる。 肺気腫と皮下気腫は名称が似ているが、病態は全く異なるため混同しないこと。
ポイント
  • 肺気腫の典型的な身体所見は、樽状胸(前後径増大)、打診で過共鳴音(鼓音)、呼吸音減弱、呼気延長であり、セットで覚える。
  • 皮下気腫は気胸や外傷による合併症であり、肺気腫の所見ではない。名称の類似による混同に注意すること。
  • 肺気腫では肺の過膨脹により横隔膜の平低化、胸部X線での透過性亢進もみられ、残気率の増加が肺機能上の特徴である。
  • 重要用語: 肺気腫, 樽状胸, 過共鳴音, 呼吸音減弱, 皮下気腫(気胸の所見) を正確に理解しておくこと。
比較表
身体所見 肺気腫 気胸
胸郭の形状 樽状胸(前後径増大) 患側の胸郭拡大
打診 過共鳴音(鼓音) 鼓音
呼吸音 減弱、呼気延長 患側で減弱~消失
皮下気腫 なし 合併することがある
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題77|肺気腫でみられない所見はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題77|肺気腫でみられない所見はどれか。
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