学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0292

理由で解く 臨床医学各論

Q0292 呼吸器疾患

出典:あマ指 第8回(2000) 問題90
問題
気管支喘息について正しい記述はどれか。
選択肢
1 呼吸困難を主訴とする。
2 呼気よりも吸気が延長する。
3 泡沫状喀痰を喀出する。
4 高熱を発する。
解答
正解1(呼吸困難を主訴とする)
解説
✓ 1. 正しい
呼吸困難を主訴とする。
気管支喘息は発作性の呼吸困難を主訴とする代表的疾患である。 発作時は気道平滑筋の収縮・粘膜浮腫・粘液分泌亢進により気道が狭窄し、咳嗽・息苦しさ・息がつまる感じ・呼吸苦・喘鳴を自覚する。 症状は夜間(深夜~明け方)に増悪しやすく、聴診上は笛声音(wheezes)を呼気時に強く聴取する。
✗ 2. 誤り
呼気よりも吸気が延長する。
気管支喘息では気道狭窄により空気を吐き出しにくくなるため、呼気が延長する。 吸気の延長は上気道狭窄(クループ、喉頭浮腫など)の特徴であり、下気道の閉塞性疾患である喘息とは異なる。 聴診上も笛声音は呼気時に強く聞こえ、これが閉塞性換気障害の特徴である。
✗ 3. 誤り
泡沫状喀痰を喀出する。
泡沫状喀痰は左心不全による肺水腫(心臓喘息)に特徴的な所見である。 気管支喘息では粘稠な喀痰がみられ、顕微鏡的にはクルシュマン螺旋体やシャルコー・ライデン結晶が認められることがある。 泡沫状喀痰の有無は気管支喘息と心臓喘息の鑑別に有用なポイントである。
✗ 4. 誤り
高熱を発する。
気管支喘息は好酸球・リンパ球を主体とした気道のアレルギー性慢性炎症であり、感染症ではないため通常高熱を伴わない。 発熱がある場合は、気道感染の合併(急性増悪のトリガー)を疑う必要がある。 結核や肺炎などの感染性疾患との鑑別が重要である。
ポイント
  • 気管支喘息の主要症状は発作性の呼吸困難(息苦しさ、息がつまる感じ、呼吸苦)と喘鳴であり、夜間(深夜~明け方)に増悪する特徴がある。
  • 呼気時に気道が狭窄するため、呼気延長と呼気時喘鳴(笛声音)が特徴的である。吸気延長は上気道狭窄の所見であるため混同しないこと。
  • 泡沫状喀痰は心臓喘息(左心不全)の特徴であり、気管支喘息の喀痰は粘稠である。両者の鑑別は頻出テーマである。
  • 重要用語: 気管支喘息, 呼吸困難, 呼気延長, 笛声音, 心臓喘息との鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別 気管支喘息 心臓喘息(左心不全)
原因 アレルギー性気道炎症 左心不全による肺うっ血
喀痰 粘稠な痰 泡沫状・ピンク色の痰
発症時間 深夜~明け方 就寝後1~2時間
聴診 笛声音(wheezes) 水泡音(coarse crackles)
治療 気管支拡張薬・ステロイド 利尿薬・血管拡張薬
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題90|気管支喘息について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題90|気管支喘息について正しい記述はどれか。
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