学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0242

理由で解く 臨床医学各論

Q0242 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題74
問題
膵管上皮由来の膵臓癌でみられないのはどれか。
選択肢
1 黄疸
2 背部痛
3 低血糖
4 CEA陽性
解答
正解3(低血糖)
解説
✗ 1.
黄疸
✗ 正しい。膵頭部癌では総胆管が膵頭部を貫通しているため、腫瘍による圧迫で胆汁流出が障害され閉塞性黄疸をきたす。 膵管癌の代表的な症状の一つであり、褐色尿や灰白色便を伴う。 膵頭部癌は閉塞性黄疸により比較的早期に発見される機会がある。
✗ 2.
背部痛
✗ 正しい。膵臓癌では腫瘍の後腹膜への浸潤や腹腔神経叢への浸潤により背部痛がみられる。 背部痛は膵臓疾患に共通する症状であり、仰臥位で増強し座位前屈で軽減する特徴がある。 進行すると持続的な激しい背部痛となり、疼痛管理が必要となる。
✓ 3. 誤り
低血糖
低血糖は膵管上皮由来の膵臓癌(膵管癌)ではみられない。 低血糖は膵島のβ細胞由来のインスリノーマ(膵島腫瘍)で特徴的にみられる症状であり、ウィップルの三徴(空腹時低血糖、血糖値50mg/dL以下、ブドウ糖投与で改善)が知られる。 膵管癌ではむしろ膵の外分泌・内分泌機能が破壊されるため、二次性糖尿病(高血糖)をきたすことがある。
✗ 4.
CEA陽性
✗ 正しい。CEA(癌胎児性抗原)は膵臓癌で陽性(上昇)となることがある。 膵癌の腫瘍マーカーとしてはCA19-9がより特異性が高いが、CEAも補助的に用いられる。 複数の腫瘍マーカーを組み合わせることで診断精度が向上する。
ポイント
  • 膵管癌と膵島腫瘍(内分泌腫瘍)の症状の違いを明確に区別すること。低血糖はインスリノーマの症状であり、膵管癌では二次性糖尿病(高血糖)をきたす
  • 膵管癌の主要症状は黄疸、背部痛、体重減少であり、腫瘍マーカーとしてCA19-9とCEAが用いられる
  • インスリノーマの診断にはウィップルの三徴(空腹時低血糖、血糖50mg/dL以下、ブドウ糖投与で改善)が重要である
  • 重要用語: 膵管癌と膵島腫瘍の鑑別, インスリノーマ, 二次性糖尿病, ウィップルの三徴 を正確に理解しておくこと。
比較表
膵臓腫瘍 由来細胞 特徴的所見 血糖への影響
膵管癌 膵管上皮 黄疸、背部痛、CA19-9上昇 高血糖(二次性糖尿病)
インスリノーマ 膵島β細胞 低血糖、ウィップルの三徴 低血糖
グルカゴノーマ 膵島α細胞 壊死性遊走性紅斑 高血糖
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題74|膵管上皮由来の膵臓癌でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題74|膵管上皮由来の膵臓癌でみられないのはどれか。
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