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理由で解く 臨床医学各論

Q0236 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第29回(2021) 問題61
問題
急性胆囊炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 左季肋部に強い痛みを認める。
2 高脂肪食を摂取すると起こりやすい。
3 腹部超音波検査では胆囊の萎縮を認める。
4 若年者に多くみられる。
解答
正解2(高脂肪食を摂取すると起こりやすい。)
解説
✗ 1. 誤り
左季肋部に強い痛みを認める。
急性胆嚢炎の痛みは右季肋部に認められ、左季肋部ではない。 胆嚢は肝臓下面の右上腹部に位置し、炎症時には右季肋部の圧痛とマーフィー徴候がみられる。 左季肋部痛は脾臓疾患や膵尾部疾患で生じるものであり、胆嚢とは解剖学的位置が異なる。
✓ 2. 正しい
高脂肪食を摂取すると起こりやすい。
高脂肪食を摂取するとコレシストキニン(CCK)が十二指腸から分泌され、胆嚢が収縮する。 胆嚢内に胆石がある場合、この収縮により胆石が胆嚢頸部に嵌頓し、急性胆嚢炎を発症する。 高脂肪食後や夜間に発作が起こりやすいのは、この機序による。
✗ 3. 誤り
腹部超音波検査では胆囊の萎縮を認める。
急性胆嚢炎では腹部超音波検査で胆嚢の腫大(拡大)を認め、萎縮ではない。 胆嚢壁の肥厚(浮腫による3層化)、胆嚢周囲の液体貯留、胆石も確認される。 超音波検査は胆嚢炎の診断に最も有用な画像検査である。
✗ 4. 誤り
若年者に多くみられる。
急性胆嚢炎は中高年に多くみられ、特に高齢者、女性に好発する。 成人検診受診者の約15%に胆石が認められ、若年者に多い疾患ではない。 加齢に伴い胆石保有率が上昇するため、胆嚢炎も高齢者に多くなる。
ポイント
  • 急性胆嚢炎は高脂肪食摂取後に起こりやすく、コレシストキニン分泌 → 胆嚢収縮 → 胆石嵌頓が発症機序である
  • 右季肋部痛(左ではない)、胆嚢腫大(萎縮ではない)、中高年に多い(若年者ではない)の3点は誤りの選択肢として頻出である
  • 超音波検査で胆嚢腫大、胆嚢壁の3層化、胆石の描出が診断に有用。治療は腹腔鏡下胆嚢摘除術が標準である
  • 重要用語: 高脂肪食とコレシストキニン, 右季肋部痛, 胆嚢腫大, 胆嚢壁3層化 を正確に理解しておくこと。
比較表
急性胆嚢炎の特徴 正しい内容 誤りやすい記述
疼痛部位 右季肋部 左季肋部(誤り)
超音波所見 胆嚢腫大、壁の3層化 胆嚢萎縮(誤り)
好発年齢 中高年(高齢者・女性) 若年者(誤り)
誘因 高脂肪食摂取 (正しい)
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題61|急性胆囊炎について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題61|急性胆囊炎について正しいのはどれか。
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