学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0193

理由で解く 臨床医学各論

Q0193 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題78
問題
「施術後、患者の血液のついた鍼を廃棄する時に誤って施術者の指に刺さった。」鍼刺し事故後、感染率が最も高いのはどれか。
選択肢
1 成人T 細胞白血病
2 B 型肝炎
3 C 型肝炎
4 HIV 感染症
解答
正解2(B型肝炎)
解説
✗ 1. 誤り
成人T 細胞白血病
成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスであるHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)は、主に母乳や性行為で感染する。針刺し事故による感染報告はあるが、感染率はB型肝炎よりはるかに低い。垂直感染(母子感染)が主要な感染経路である。
✓ 2. 正しい
B 型肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)は針刺し事故後の感染率が最も高く、約30%である。HBVは感染力が非常に強く、微量の血液でも感染が成立する。HBe抗原陽性の患者血液では感染リスクがさらに高まる。医療従事者や鍼灸師にとって最も重要な職業感染リスクである。
✗ 3. 誤り
C 型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)の針刺し事故後の感染率は約1.8〜3%である。HBVの約30%と比較すると約1/10の感染率である。ただし、C型肝炎は60〜70%が慢性化するため、感染した場合の長期的影響は大きい。
✗ 4. 誤り
HIV 感染症
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の針刺し事故後の感染率は約0.3%で最も低い。適切な曝露後予防内服(PEP)により、感染リスクをさらに低減できる。深い刺創、血液の見える針、患者の血中ウイルス量が多い場合などでリスクが高まる。
ポイント
  • 針刺し事故後の感染率:HBV(約30%)> HCV(約3%)> HIV(約0.3%)
  • HBVは感染力が極めて強く、職業感染予防が最も重要
  • HBワクチン接種により医療従事者・鍼灸師はHBV感染を予防できる
  • 重要用語: 針刺し事故、HBV感染率30%、HCV感染率3%、HIV感染率0.3% を正確に理解しておくこと。
比較表
ウイルス 針刺し事故後感染率 予防法
HBV 約30% HBワクチン、HBs免疫グロブリン
HCV 約1.8〜3% 予防法なし(早期発見・治療)
HIV 約0.3% 曝露後予防内服(PEP)
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題78|「施術後、患者の血液のついた鍼を廃棄する時に誤って施術者の指に刺さった。」鍼刺し事故後、感染率が最も高いのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題78|「施術後、患者の血液のついた鍼を廃棄する時に誤って施術者の指に刺さった。」鍼刺し事故後、感染率が最も高いのはどれか。
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