学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0180

理由で解く 臨床医学各論

Q0180 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題83
問題
最も治りやすい肝炎はどれか。
選択肢
1 A型肝炎
2 B型肝炎
3 C型肝炎
4 劇症肝炎
解答
正解1(A型肝炎)
解説
✓ 1. 正しい
A型肝炎
A型肝炎は経口感染(糞口感染)による急性肝炎であり、慢性化することなく自然治癒する最も予後良好な肝炎である。RNAウイルス(HAV)による感染で、生鮮魚介類(特に生ガキ)の摂取で感染する。一度感染すると終生免疫が獲得され、再感染することはない。
✗ 2. 誤り
B型肝炎
B型肝炎は成人の水平感染(性行為、針刺し事故など)では95%以上が自然治癒するが、乳幼児期の垂直感染(母子感染)では高率(約90%)に慢性化しキャリアとなる。近年、欧米型ゲノタイプの感染では成人でも慢性化することが知られている。
✗ 3. 誤り
C型肝炎
C型肝炎は慢性化率が約60〜70%と高く、治りにくい肝炎である。HCV感染後、多くの例で持続感染となり慢性肝炎に移行し、10〜20年で肝硬変、さらに肝細胞癌へ進行するリスクがある。インターフェロン療法で著効する例もあるが、治りにくい。
✗ 4. 誤り
劇症肝炎
劇症肝炎は広範な肝細胞壊死により急性肝不全を来す重篤な病態であり、致死率は70〜80%と極めて予後不良である。肝性脳症が出現し、血漿交換や副腎皮質ホルモン投与を行うが救命困難な例が多い。
ポイント
  • A型肝炎の特徴:経口感染、慢性化なし、自然治癒、終生免疫獲得
  • B型肝炎:成人感染は治癒しやすいが垂直感染は慢性化しやすい(感染時期による差が大きい)
  • C型肝炎:慢性化率約70%で肝硬変・肝癌への進行リスクが高い
  • 劇症肝炎:致死率70〜80%の重篤な病態
  • 重要用語: A型肝炎, 自然治癒, 慢性化なし, C型肝炎, 慢性化率 を正確に理解しておくこと。
比較表
肝炎型 慢性化率 予後 治りやすさ
A型 0% 良好(自然治癒) 最も治りやすい
B型(成人感染) 約5% 良好 治りやすい
B型(垂直感染) 約90% やや不良 治りにくい
C型 60〜70% 不良 治りにくい
劇症肝炎 致死率70〜80% 極めて予後不良
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題83|最も治りやすい肝炎はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題83|最も治りやすい肝炎はどれか。
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