学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0181

理由で解く 臨床医学各論

Q0181 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題79
問題
肝炎について正しい記述はどれか。
選択肢
1 A型肝炎は慢性化しやすい。
2 急性B型肝炎は慢性化しやすい。
3 C型肝炎は慢性化しやすい。
4 A型肝炎は輸血で起こりやすい。
解答
正解3(C型肝炎は慢性化しやすい)
解説
✗ 1. 誤り
A型肝炎は慢性化しやすい。
A型肝炎は急性肝炎として経過し、慢性化することなく自然治癒する。HAV(RNAウイルス)による経口感染で、生鮮魚介類の摂取が原因となる。一度感染すると終生免疫が獲得され、慢性化率は0%である。
✗ 2. 誤り
急性B型肝炎は慢性化しやすい。
成人の急性B型肝炎は95%以上が自然治癒し慢性化しにくい。HBVに対する免疫応答が正常に働くため、HBs抗原が陰性化しHBs抗体が陽性化して治癒する。ただし乳幼児期の垂直感染(母子感染)では免疫機能が未熟なため慢性化率が約90%と高い。
✓ 3. 正しい
C型肝炎は慢性化しやすい。
C型肝炎は慢性化率が約60〜70%と高い肝炎である。HCV感染後、多くの例で持続感染となり慢性肝炎に移行する。慢性肝炎から10〜20年で肝硬変へ、さらに年率約7%で肝細胞癌へ進行するリスクがあり、わが国の肝癌の70〜80%がC型肝炎ウイルスに起因する。
✗ 4. 誤り
A型肝炎は輸血で起こりやすい。
A型肝炎はHAVの経口感染(糞口感染)で発症し、輸血による感染ではない。潜伏期約30日で、生ガキなどの生鮮魚介類の摂取が主な感染経路である。輸血で起こりやすいのはB型・C型肝炎であるが、現在はHBs抗原・HCV抗体のスクリーニングにより激減している。
ポイント
  • C型肝炎の慢性化:約60〜70%が慢性化し、肝硬変・肝癌への進行リスクが高い
  • A型肝炎:経口感染、慢性化率0%、自然治癒
  • B型肝炎の慢性化:成人感染では約5%以下、垂直感染では約90%と感染時期により大きく異なる
  • 輸血感染:B型・C型(現在はスクリーニングで激減)、A型・E型は経口感染
  • 重要用語: C型肝炎, 慢性化率70%, A型肝炎, 自然治癒, 肝硬変・肝癌 を正確に理解しておくこと。
比較表
肝炎型 慢性化率 感染経路 肝硬変・肝癌リスク
A型 0% 経口 なし
B型(成人感染) 約5% 血液・体液 あり
C型 60〜70% 血液 高い(肝癌の70〜80%)
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題79|肝炎について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題79|肝炎について正しい記述はどれか。
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