学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0175

理由で解く 臨床医学各論

Q0175 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題74
問題
肝硬変で誤っているのはどれか。
選択肢
1 肝が肥大する。
2 食道静脈瘤を生じる。
3 手掌紅斑を生じる。
4 腹水を生じる。
解答
正解1(肝が肥大する)
解説
✓ 1. 誤り
肝が肥大する。
肝硬変では肝臓は線維化・結節形成により萎縮するのが一般的であり、「肝が肥大する」という記述は誤りである。肝全体が偽小葉(再生結節)によって置き換わり、進行すると肝は縮小し辺縁は鋭利になる。初期のアルコール性肝硬変では一時的に腫大することもあるが、進行した肝硬変では萎縮が特徴的である。
✗ 2.
食道静脈瘤を生じる。
✗ 正しい。肝硬変では門脈圧亢進により側副血行路が発達し、食道粘膜下の静脈が拡張して食道静脈瘤が形成される。破裂すると致命的な大吐血を起こし、肝硬変の主要な死因の一つとなる。内視鏡的硬化療法や結紮術が予防的に行われる。
✗ 3.
手掌紅斑を生じる。
✗ 正しい。肝硬変ではエストロゲンの肝での不活化が低下するため、手掌紅斑(特に母指球・小指球部の発赤)やクモ状血管拡張、女性化乳房などのエストロゲン過剰症状が出現する。これらは肝硬変の特徴的な身体所見である。
✗ 4.
腹水を生じる。
✗ 正しい。門脈圧亢進による門脈系のうっ滞と、肝でのアルブミン合成低下による低アルブミン血症(膠質浸透圧低下)により腹水が貯留する。非代償期肝硬変では大量の腹水により腹部膨満が著明となり、塩分制限や利尿薬投与で治療する。
ポイント
  • 肝硬変の肝臓:萎縮・縮小(肥大ではない)、表面は結節状、辺縁は鋭利
  • 門脈圧亢進症候群:食道静脈瘤、脾腫、腹水、臍部の放射状静脈怒張(メデューサの頭)
  • エストロゲン過剰症状:手掌紅斑、クモ状血管拡張、女性化乳房
  • 肝機能低下症状:低アルブミン血症、凝固因子低下、黄疸、肝性脳症
  • 重要用語: 肝硬変, 肝萎縮, 門脈圧亢進, 食道静脈瘤, 腹水 を正確に理解しておくこと。
比較表
病期 代償期 非代償期
症状 軽微(倦怠感程度) 黄疸、腹水、肝性脳症
肝形態 軽度萎縮、結節状 著明な萎縮
合併症 クモ状血管拡張、手掌紅斑 食道静脈瘤破裂、肝性脳症
予後 比較的良好 不良
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題74|肝硬変で誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題74|肝硬変で誤っているのはどれか。
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