学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ C. 胃・十二指腸疾患 / Q0128

理由で解く 臨床医学各論

Q0128 消化管疾患

出典:あマ指 第16回(2008) 問題70
問題
胃潰瘍の発症因子となりにくいのはどれか。
選択肢
1 胃酸
2 胆汁
3 ヘリコバクター・ピロリ
4 消炎鎮痛薬
解答
正解2(胆 汁)
解説
✗ 1.
胃酸
✗ 正しい。胃酸(塩酸)は胃粘膜を直接障害する最も重要な攻撃因子である。胃酸とペプシンの消化作用により粘膜が障害され、防御因子とのバランスが崩れると潰瘍が形成される。プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬による胃酸分泌抑制が治療の基本となる。
✓ 2. 誤り
胆汁
胆汁は肝臓で産生され胆嚢に貯蔵された後、十二指腸に分泌される消化液である。脂肪の乳化・消化に関与するが、通常は胃内には流入せず、胃潰瘍の直接的発症因子とはなりにくい。ただし、胃切除後のビルロートII法術後などでは胆汁が胃内に逆流し、胆汁性胃炎を起こすことがある。
✗ 3.
ヘリコバクター・ピロリ
✗ 正しい。ヘリコバクター・ピロリ菌は胃粘膜に感染して慢性炎症を惹起し、粘膜防御機構を低下させることで胃潰瘍の主要な原因となる。胃・十二指腸潰瘍患者の70〜90%に感染が認められる。除菌により早期治癒と再発防止が可能である。
✗ 4.
消炎鎮痛薬
✗ 正しい。NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬:消炎鎮痛薬)はプロスタグランジン合成を阻害することにより、粘液分泌低下・粘膜血流低下を引き起こし、粘膜防御機能を低下させて潰瘍を誘発する。長期服用者では胃潰瘍のリスクが高まる。
ポイント
  • 胃潰瘍の攻撃因子:胃酸、ペプシン、ヘリコバクター・ピロリ、NSAIDs、ストレス
  • 胃潰瘍の防御因子:粘液、重炭酸イオン、粘膜血流、プロスタグランジン
  • 胆汁は十二指腸に分泌され、通常は胃潰瘍の主因とならない(胃切除後は例外)
  • 重要用語: 胃潰瘍、攻撃因子、防御因子、ヘリコバクター・ピロリ、NSAIDs を正確に理解しておくこと。
比較表
因子 胃潰瘍への影響 機序
胃酸 攻撃因子 粘膜を直接障害
ヘリコバクター・ピロリ 攻撃因子 慢性炎症、防御因子低下
NSAIDs 攻撃因子 プロスタグランジン合成阻害
胆汁 主因とならない 十二指腸に分泌(胃内に通常流入せず)
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題70|胃潰瘍の発症因子となりにくいのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題70|胃潰瘍の発症因子となりにくいのはどれか。
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