学習トップ / 理由で解く 理学療法士 / 第12章 ▸ 実地 / QP61P003
理由で解く 理学療法士

右上肢は随意性がほとんどなく(BrunnstromⅡ)、亜脱臼と重度感覚障害を伴う。健側の左手だけで完結できる動作を選ぶ。
本症例は上肢Brunnstrom StageⅡで随意運動がほとんどなく、肩関節の亜脱臼と重度の感覚障害を伴うため、右上肢は荷重支持にも物の操作にも使えない。一方で下肢はStageⅢでT字杖による室内歩行が自立しており、下肢機能は一定保たれている。したがってADL指導は「右上肢が非実用であることを前提に、健側の左手だけで安全に自立できる動作」を選ぶのが原則になる。シャツを着る動作は、麻痺側から袖を通す「着患脱健」を守れば健側の手だけで完結でき、亜脱臼した肩を無理に動かさずに済むため、この症例が今すぐ自立できる課題として最も適切である。これに対しベッド上での起き上がりと床からの立ち上がりは、いずれも両上肢での支持やプッシュアップを必要とし、右上肢が使えない本症例では成立しない。浴槽への出入りは移乗動作と片脚立位のバランスに加えて確実な上肢支持を要し、重度の感覚障害があるため熱傷や転倒の危険も大きい。階段の昇段は室内歩行が自立した段階での次の課題であり、更衣ほど基本的で優先度の高い指導とはいえない。よって最も正しいのは3である。
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