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理由で解く 理学療法士

QP60A041 理学療法治療学

出典:第60回理学療法士国家試験(2025)午前 問41
問題
前十字靱帯損傷で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 単独損傷が8割以上である。
2 Lachman testが陽性となる。
3 再建術は受傷後1年以降が推奨されている。
4 受傷前レベルへのスポーツ復帰率は9割以上である。
5 ハムストリングスの収縮により損傷部位の緊張は低下する。
解答
正解2(Lachman testが陽性となる。)、5(ハムストリングスの収縮により損傷部位の緊張は低下する。)
解説

前十字靱帯(ACL)損傷はLachman testが陽性となり、ハムストリングス収縮は脛骨の前方移動を抑えてACLの緊張を低下させる。

ACLは脛骨の前方移動と過度の内旋を制動する。損傷すると膝屈曲20〜30度で脛骨を前方に引くLachman testが陽性となり、前方引き出しよりも感度が高い。ハムストリングスは脛骨を後方へ引く作用を持つため、その収縮はACLへの前方剪断ストレス(緊張)を軽減する。この拮抗作用がACL損傷後・再建後の膝関節動的安定化においてハムストリングス強化が重視される根拠である。ACL損傷はしばしば半月板や内側側副靱帯を合併し、再建術は炎症消退後の早期〜数か月以内に行うのが一般的で、受傷前競技レベルへの完全復帰率は6割前後にとどまる。

✗ 1. 誤り
単独損傷が8割以上である。
半月板・側副靱帯損傷などの合併が多く、単独損傷が8割以上ということはない
✓ 2. 正しい
Lachman testが陽性となる。
屈曲20〜30度で脛骨前方移動が増大し感度が高い所見
✗ 3. 誤り
再建術は受傷後1年以降が推奨されている。
腫脹・可動域改善後の早期〜数か月以内が一般的で1年以降ではない
✗ 4. 誤り
受傷前レベルへのスポーツ復帰率は9割以上である。
完全な競技復帰率は6割前後で9割には達しない
✓ 5. 正しい
ハムストリングスの収縮により損傷部位の緊張は低下する。
脛骨を後方へ引きACLへの前方剪断力を減らす
ポイント
  • ACL損傷=Lachman test陽性(前方引き出しより高感度)
  • ハムストリングスは脛骨後方牽引でACLの拮抗筋
  • 半月板・MCL合併が多く、単独損傷は少ない
比較表
膝靱帯損傷の徒手検査
テスト評価対象
Lachman test前十字靱帯(ACL)
前方引き出しテスト前十字靱帯(ACL)
後方引き出しテスト後十字靱帯(PCL)
外反ストレステスト内側側副靱帯(MCL)
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