学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP59A019

理由で解く 理学療法士

QP59A019 理学療法評価学

出典:第59回理学療法士国家試験(2024)午前 問19
問題
73歳の女性。胸部単純エックス線写真を図に示す。考えられる疾患または状態はどれか。
図
選択肢
1 気胸
2 間質性肺疾患
3 気管切開術後
4 肺葉切除術後
5 慢性閉塞性肺疾患
解答
正解2(間質性肺疾患)
解説

両肺にびまん性の網状影(末梢・下肺野優位)が広がる胸部X線像は、間質性肺疾患を強く示唆する。

胸部単純エックス線写真(正面像)で、両側の肺野全体に、細かい網状影(reticular pattern)ないし網状粒状影がびまん性に認められ、特に肺の末梢および中下肺野に強く分布している。これは肺間質の線維化・肥厚を反映する所見で、間質性肺疾患(特発性肺線維症などのびまん性間質性肺疾患)に典型的である。一方、気胸(1)でみられる肺虚脱や無血管透亮域、肺葉切除術後(4)でみられる片側の容積減少・縦隔偏位、慢性閉塞性肺疾患(5)でみられる肺の過膨張・横隔膜平低化・透過性亢進はいずれも認められず、気管切開術後(3)を示すカニューレ陰影も確認できない。したがって、両肺びまん性網状影を示す本画像が支持する状態は間質性肺疾患である。

✗ 1. 誤り
気胸
肺の虚脱を示す臓側胸膜線や、肺紋理を欠く透亮域は認められない
✓ 2. 正しい
間質性肺疾患
両側肺野にびまん性の網状影・網状粒状影が末梢~下肺野優位に広がり、間質性肺疾患に典型的な所見である
✗ 3. 誤り
気管切開術後
頸部・気管に気管カニューレの陰影は確認できない
✗ 4. 誤り
肺葉切除術後
片側の容積減少・縦隔偏位・肋骨変化はなく、両肺がほぼ対称に保たれる
✗ 5. 誤り
慢性閉塞性肺疾患
肺の過膨張・横隔膜平低化・透過性亢進はみられず、所見はむしろ網状影の増強である
ポイント
  • 間質性肺疾患=両下肺野優位のびまん性網状影・容積減少・蜂巣肺
  • 気胸=虚脱肺辺縁線+外側透亮像(透過性亢進)
  • COPD=過膨張(横隔膜平坦化・透過性亢進・滴状心)
  • 所見の分布(びまん性 vs 局所)と透過性の増減で鑑別
比較表
胸部エックス線所見の鑑別
疾患・状態代表的所見
間質性肺疾患びまん性網状影・容積減少・蜂巣肺
気胸虚脱肺辺縁線・外側の無血管透亮像
慢性閉塞性肺疾患過膨張・横隔膜平坦化・透過性亢進
肺葉切除術後片側容積減少・縦隔偏位・肋骨変化
気管切開術後気管カニューレ陰影
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