学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP59A017

理由で解く 理学療法士

QP59A017 理学療法治療学

出典:第59回理学療法士国家試験(2024)午前 問17
問題
76歳の男性。左足関節の痛みに対して手術療法が行われた。術後エックス線写真を図に示す。術後の理学療法で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 術直後から荷重を開始する。
2 疼痛軽減のため電磁波療法を行う。
3 膝関節可動域練習を積極的に行う。
4 外固定が外れたら足指可動域練習を開始する。
5 内固定破損の可能性があるため骨癒合が得られるまで短下肢装具を使用する。
解答
正解3(膝関節可動域練習を積極的に行う。)
解説

足関節・後足部の内固定(髄内釘)術後は、金属による電磁波療法禁忌・荷重制限を守りつつ、非手術部位である膝関節の可動域練習を積極的に行い廃用を予防する。

術後エックス線写真では、左下腿遠位から足関節・後足部(距骨・踵骨方向)を縦貫する髄内釘と、近位脛骨および踵骨を横走する固定スクリューが確認でき、金属インプラントによる強固な内固定が行われている。手術侵襲と固定は足関節・後足部に限局しており、膝関節はインプラント範囲外で温存されている。したがって、隣接関節である膝関節の可動域練習を積極的に行い廃用・拘縮を予防するのは適切(選択肢3=正)。一方、金属インプラントが存在するため電磁波(極超短波)療法は熱傷の危険があり禁忌(選択肢2=誤)。足関節固定術後は骨癒合まで荷重を制限するのが原則で術直後の荷重は不適切(選択肢1=誤)。足指の可動域練習は循環・浮腫予防のため術後早期から開始すべきで外固定除去を待つ必要はない(選択肢4=誤)。堅固な内固定がなされており破損予防目的で骨癒合まで短下肢装具を用いる必要はない(選択肢5=誤)。

✗ 1. 誤り
術直後から荷重を開始する。
像は足関節・後足部を貫く髄内釘固定であり、骨癒合が得られるまで荷重は制限するのが原則で術直後の荷重開始は不適切
✗ 2. 誤り
疼痛軽減のため電磁波療法を行う。
電磁波(極超短波)療法:X線で金属製髄内釘とスクリューが明瞭に確認でき、金属は加熱・熱傷の危険があるため電磁波療法は禁忌
✓ 3. 正しい
膝関節可動域練習を積極的に行う。
手術侵襲は足関節・後足部に限局し膝関節はインプラント範囲外であるため、廃用・拘縮予防に膝ROM練習を積極的に行うのは正しい
✗ 4. 誤り
外固定が外れたら足指可動域練習を開始する。
足指ROMは循環改善・浮腫予防のため術後早期から行うべきで、外固定が外れるまで待って開始するのは不適切
✗ 5. 誤り
内固定破損の可能性があるため骨癒合が得られるまで短下肢装具を使用する。
像のとおり髄内釘による堅固な内固定が施されており、破損予防目的で骨癒合まで装具を用いる必要はない
ポイント
  • 足関節固定術後は骨癒合まで安静・免荷(荷重制限)
  • 固定されていない膝関節のROM練習で隣接関節拘縮を予防
  • 足指ROMは早期から実施(外固定除去を待たない)
  • 骨癒合前の全荷重は禁忌、電磁波は金属上で禁忌
比較表
足関節術後理学療法の可否
介入可否理由
膝関節ROM練習行う隣接関節の拘縮・筋力低下予防
足指ROM練習早期から行う循環改善・拘縮予防
術直後の全荷重行わない内固定破損・偽関節のリスク
電磁波療法行わない金属インプラント上で禁忌
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