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理由で解く 理学療法士

QP58A074 運動学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午前 問74
問題
正常歩行で遠心性収縮をする筋はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 踵接地から足底接地までの前脛骨筋
2 足底接地から立脚中期までの下腿三頭筋
3 立脚中期から踵離地までの大殿筋
4 加速期から遊脚中期までの内側広筋
5 遊脚中期から減速期までの腸腰筋
解答
正解1(踵接地から足底接地までの前脛骨筋)、2(足底接地から立脚中期までの下腿三頭筋)
解説

遠心性収縮は関節が動く方向と逆に働く筋が制御する局面で起こる。初期接地後の前脛骨筋(フットスラップ制御)と、立脚中期にかけての下腿三頭筋(下腿前傾の制御)が代表例。

歩行では重力や慣性による関節運動を筋が伸ばされながら制御する局面で遠心性収縮が生じる。踵接地(初期接地)から足底接地(荷重応答期)では、足関節が底屈していくのを前脛骨筋が遠心性に制御し、フットスラップ(足底の急な床への衝突)を防ぐ。足底接地から立脚中期では、体重が前方へ移動し下腿(脛骨)が足部上を前傾していくのを、下腿三頭筋が遠心性に制御して過度の背屈と前方崩れを防ぐ。この2つが正解。

✓ 1. 正しい
踵接地から足底接地までの前脛骨筋
底屈していく足関節を制御しフットスラップを防ぐ遠心性収縮
✓ 2. 正しい
足底接地から立脚中期までの下腿三頭筋
脛骨の前傾(背屈進行)を制御する遠心性収縮
✗ 3. 誤り
立脚中期から踵離地までの大殿筋
大殿筋は主に初期接地〜荷重応答期に股関節伸展を求心性に働き、この局面での遠心性収縮の代表ではない
✗ 4. 誤り
加速期から遊脚中期までの内側広筋
遊脚初期の膝は屈曲していく局面で、内側広筋(膝伸展筋)の遠心性収縮の代表局面ではない
✗ 5. 誤り
遊脚中期から減速期までの腸腰筋
遊脚後期は股関節屈曲が減速する局面で、腸腰筋(屈曲筋)の遠心性制御の代表ではなくハムストリングスが減速に働く
ポイント
  • 荷重応答期の前脛骨筋=フットスラップ制御(遠心性)
  • 立脚中期の下腿三頭筋=下腿前傾制御(遠心性)
  • 遠心性=関節運動と逆方向に働きブレーキとなる
比較表
歩行周期と筋活動様式
局面収縮様式
初期接地〜荷重応答前脛骨筋遠心性(底屈を制御)
足底接地〜立脚中期下腿三頭筋遠心性(脛骨前傾を制御)
立脚後期(蹴り出し)下腿三頭筋求心性(底屈)
初期接地〜荷重応答大殿筋求心性(股関節伸展)
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