学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 一般 / QP58A042

理由で解く 理学療法士

QP58A042 理学療法治療学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午前 問42
問題
摂食嚥下障害の病態と手技の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 鼻咽腔の閉鎖不全 ― Shaker(シャキア)法
2 梨状窩の食物残留 ― うなずき嚥下
3 喉頭蓋谷の食物残留 ― 横向き嚥下
4 食道入口部の開大不全 ― Mendelsohn手技
5 舌骨上筋群の筋力低下 ― 輪状咽頭筋バルーン拡張法
解答
正解4(食道入口部の開大不全 ― Mendelsohn手技)
解説

Mendelsohn手技は喉頭挙上を意図的に延長・保持して食道入口部(上部食道括約筋)の開大時間を延長する手技で、食道入口部開大不全に適応。

各手技はどの嚥下相・部位の障害を代償・改善するかで適応が決まる。Mendelsohn手技は嚥下時に喉頭が最も挙上した位置で数秒保持することで、輪状咽頭筋の弛緩に伴う食道入口部(上部食道括約筋)の開大を延長させ、通過を促す。したがって『食道入口部の開大不全』に対応する。誤選択肢は病態と手技の対応がずれており、Shaker法(頭部挙上訓練)は舌骨上筋群を鍛えて食道入口部の開大を改善する手技、横向き(頸部回旋)嚥下は麻痺側の梨状窩残留を、うなずき嚥下(顎引き)は喉頭蓋谷残留を除去する手技である。

✗ 1. 誤り
鼻咽腔の閉鎖不全 ― Shaker(シャキア)法
誤。Shaker法(頭部挙上訓練)は舌骨上筋群を強化し食道入口部開大を促す手技。鼻咽腔閉鎖不全にはブローイング訓練等が適応。
✗ 2. 誤り
梨状窩の食物残留 ― うなずき嚥下
誤。うなずき(顎引き)嚥下は喉頭蓋谷の残留に有効。梨状窩残留には横向き嚥下が適応。
✗ 3. 誤り
喉頭蓋谷の食物残留 ― 横向き嚥下
誤。横向き(頸部回旋)嚥下は麻痺側梨状窩をふさぎ健側へ食塊を誘導する手技で、梨状窩残留に適応。喉頭蓋谷残留にはうなずき嚥下。
✓ 4. 正しい
食道入口部の開大不全 ― Mendelsohn手技
食道入口部の開大不全 ─ Mendelsohn手技:正。喉頭挙上を延長・保持し食道入口部の開大時間を延長する。
✗ 5. 誤り
舌骨上筋群の筋力低下 ― 輪状咽頭筋バルーン拡張法
舌骨上筋群の筋力低下 ─ 輪状咽頭筋バルーン拡張法:誤。バルーン拡張は輪状咽頭筋の弛緩不全(食道入口部狭窄)に対する手技。舌骨上筋群の筋力低下にはShaker法等が適応。
ポイント
  • Mendelsohn手技=喉頭挙上保持で食道入口部の開大延長
  • 横向き嚥下=梨状窩残留、うなずき嚥下=喉頭蓋谷残留
  • Shaker法=舌骨上筋群強化で食道入口部開大
比較表
嚥下障害の病態と手技
病態・部位手技
喉頭蓋谷の残留うなずき嚥下(顎引き)
梨状窩の残留(片側麻痺)横向き(頸部回旋)嚥下
食道入口部開大不全Mendelsohn手技・バルーン拡張
舌骨上筋群の筋力低下Shaker法(頭部挙上訓練)
鼻咽腔閉鎖不全ブローイング訓練・プッシング
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