学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP57P011

理由で解く 理学療法士

QP57P011 理学療法評価学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午後 問11
問題
治療前後の心電図を図に示す。治療の作用として正しいのはどれか。
図
選択肢
1 不応期の短縮
2 心収縮力の増強
3 房室間の伝導の抑制
4 洞房結節の脱分極促通
5 心室筋の活動電位持続時間の延長
解答
正解5(心室筋の活動電位持続時間の延長)
解説

治療後にT波までのQT間隔が延長している=心室筋の活動電位持続時間(再分極時間)の延長を表す。

治療前後の心電図を比較すると2つの変化が読み取れる。(1) 治療後は同じ時間幅に含まれるQRSが3拍から2拍へ減り、RR間隔が延長=心拍数が低下している(徐拍化)。(2) 治療後はT波が増高・幅広化し、QRSからT波終末までのQT間隔が延長している。QT間隔は心室筋の活動電位持続時間(再分極に要する時間)を反映するため、その延長は心室筋の活動電位持続時間の延長を示す(選択肢5・正)。活動電位が延長すれば不応期も延長するので、選択肢1「不応期の短縮」は逆で誤り。洞房結節脱分極が促通されれば頻脈となるはずだが実際は徐拍化しており、選択肢4も否定される。心収縮力(選択肢2)は電気記録である心電図から直接読み取れず、房室伝導抑制(選択肢3)はPR間隔延長として現れるが本図の主所見ではない。したがって正答は5。

✗ 1. 誤り
不応期の短縮
治療後はQT間隔(心室の活動電位持続時間に相当)がむしろ延長しており、不応期は短縮ではなく延長する方向。図と逆
✗ 2. 誤り
心収縮力の増強
心電図は電気活動の記録で、機械的な収縮力の増強は図から直接読み取れない。図はこれを支持しない
✗ 3. 誤り
房室間の伝導の抑制
房室伝導の抑制はPR(PQ)間隔の延長として現れるが、図で明確に確認できる変化はQT延長と心拍数低下であり、これが主所見ではない
✗ 4. 誤り
洞房結節の脱分極促通
促通されれば心拍数は増加するが、治療後はRR間隔が延長し心拍数はむしろ低下している。図と逆
✓ 5. 正しい
心室筋の活動電位持続時間の延長
治療後はT波が高く幅広くなり、QRS終了からT波終末までのQT間隔が延長している。心室筋の活動電位持続時間(再分極時間)の延長を反映する
ポイント
  • QT間隔=心室筋の活動電位持続時間(再分極)
  • QT延長=活動電位持続時間・不応期の延長
  • III群抗不整脈薬(Kチャネル遮断)でQT延長
比較表
心電図間隔と対応する電気現象・薬物作用
心電図所見反映する現象関連する作用
PR延長房室伝導遅延Ca拮抗薬・β遮断・ジギタリス
QRS延長心室内伝導遅延I群(Naチャネル遮断)
QT延長心室筋活動電位持続時間延長III群(Kチャネル遮断)
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