
この図の解説
側面から見た顔面と頚部には、性質の異なる3系統の神経が同居している。まず顔の皮膚感覚を担うのが三叉神経(V)で、図では枝ごとに(GSA)=感覚性と記され、上から眼窩上神経・滑車上神経がV₁(眼神経)、眼窩下神経がV₂(上顎神経)、オトガイ神経・耳介側頭神経がV₃(下顎神経)に色分けされる。眼裂より上がV₁、眼裂と口裂の間がV₂、口裂より下がV₃という上中下の三段構えを、顔の高さで読み取るのがこの図の要である。次に表情筋の上を放射状に走る細い白線が顔面神経(VII)で、側頭枝・頬骨枝・頬筋枝・下顎縁枝はいずれも(SVE)=運動性、耳下腺の中で分岐して前頭筋・眼輪筋・頬筋などを動かす。さらに後頭・頚部には頚神経叢由来の皮枝、大後頭神経・小後頭神経・大耳介神経・頚横神経が現れる。「感覚のV/運動のVII/頚のC神経」を線の性質(GSA/SVE)ごとに見分けよう。
学習の要点
- 三叉神経Vは顔面の感覚を、V₁眼神経(眼裂より上)・V₂上顎神経(眼裂と口裂の間)・V₃下顎神経(口裂より下)の3段で分担する。図の(GSA)表記はすべて感覚性を意味する。
- 覚え方のコツ: 顔の高さで「上=V₁(眼窩上・滑車上)、中=V₂(眼窩下)、下=V₃(オトガイ)」。耳の前後を上下に走る耳介側頭神経だけはV₃の例外的な後方枝と押さえる。
- 関連知識: 顔面神経VIIは茎乳突孔から出て耳下腺を貫きながら側頭枝・頬骨枝・頬筋枝・下顎縁枝に分かれ、前頭筋・眼輪筋・頬筋など表情筋群を支配する(SVE=運動性)。
- よくある間違い: 顔の「感覚」はV、「表情運動」はVIIと役割が別。同じ顔に分布するため混同しやすいが、Vが切れれば感覚麻痺、VIIが切れれば表情筋麻痺(顔面神経麻痺)となる。
- 臨床応用: 大後頭神経はC2後枝由来で後頭部に分布し、この神経の絞扼・炎症が後頭神経痛の原因となる。小後頭・大耳介・頚横神経はC2,3前枝(頚神経叢)の皮枝である。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
図中で「(GSA)C2後枝 大後頭神経」と示されるように、大後頭神経は第2頸神経の( )由来で、後頭部の皮膚に分布する感覚神経である。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 後枝
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。