学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP56P007

理由で解く 理学療法士

QP56P007 理学療法治療学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問7
問題
20歳の女性。転倒して左下腿骨骨折後、変形治癒となりその後手術が行われた。手術後翌日の単純エックス線を図に示す。この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 CPMを手術後1週から行う。
2 下肢伸展挙上運動を手術後1日から行う。
3 足関節の自動運動を手術後2週から行う。
4 大腿四頭筋セッティングを手術後1週から行う。
5 椅子座位での大腿四頭筋訓練(レッグエクステンション)を手術後1日から行う。
解答
正解2(下肢伸展挙上運動を手術後1日から行う。)
解説

脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定は強固で早期運動が可能なため、剪断負荷の少ない下肢伸展挙上運動(SLR)は術後1日から開始できる。

別冊の単純X線正面像は、左脛骨骨幹部骨折に対して髄内釘(intramedullary nail)が挿入され、近位2本・遠位2本の横止めスクリューで固定された状態を示す。髄内釘による内固定は強固で回旋・軸方向の安定性が高いため、術後早期からの運動療法が可能である。下肢伸展挙上運動(SLR)は骨折部に直接的な剪断力を加えにくく、股関節屈筋・大腿四頭筋の廃用予防に有効で、この強固な固定下では術後1日から行える(選択肢2=正)。一方、大腿四頭筋セッティング(等尺性)や足関節の自動運動はさらに安全で、いずれも術後1日から可能なため「1週から」「2週から」という選択肢1・3・4の時期設定は不必要に遅く誤り。座位レッグエクステンションは抵抗下の膝伸展運動で脛骨に回旋・剪断ストレスがかかりうるため、術後1日からの開始は時期尚早で誤り。CPMは本症例(骨幹部骨折)の適応として画像上の根拠がない。以上より、強固な固定を裏づける髄内釘の所見が、術後1日からのSLRを正解とする根拠となる。

✗ 1. 誤り
CPMを手術後1週から行う。
本図は脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定であり、関節可動域改善目的のCPMを1週から開始する適応・根拠を示す所見はない
✓ 2. 正しい
下肢伸展挙上運動を手術後1日から行う。
下肢伸展挙上運動(SLR)を術後1日から:髄内釘と近位・遠位の横止めスクリューによる強固な内固定が確認でき、早期からの運動が可能。骨折部への剪断が少ないSLRは術後1日から適切
✗ 3. 誤り
足関節の自動運動を手術後2週から行う。
強固な固定のため足関節自動運動は拘縮・深部静脈血栓予防の観点からも早期(術後1日〜)に開始すべきで、2週開始は遅い
✗ 4. 誤り
大腿四頭筋セッティングを手術後1週から行う。
等尺性収縮で最も安全な運動であり、この固定下では術後1日から開始可能。1週開始は不必要に遅い
✗ 5. 誤り
椅子座位での大腿四頭筋訓練(レッグエクステンション)を手術後1日から行う。
抵抗下の膝伸展は脛骨に回旋・剪断ストレスを生じうる負荷の高い運動で、術後1日からの開始は時期尚早
ポイント
  • 術後早期=骨折部にストレスを与えない等尺性・低負荷運動
  • SLR・四頭筋セッティングは翌日から可
  • 足関節自動運動は血栓予防のため早期に
  • 開放性抵抗運動(レッグエクステンション)は早期は禁
比較表
下腿骨骨折術後の運動と開始時期の考え方
運動骨折部への負担早期開始の可否
下肢伸展挙上(SLR)小(膝伸展位保持)翌日から可
大腿四頭筋セッティング小(等尺性)翌日から可
足関節自動運動早期に可(血栓予防)
レッグエクステンション大(剪断・回旋)早期は不可
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手