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理由で解く 理学療法士

QP55P068 生理学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問68
問題
男性生殖器系で正しいのはどれか。
選択肢
1 勃起中枢は腰髄にある。
2 陰茎海綿体神経は動脈収縮作用をもつ。
3 射精は副交感神経の作用を介して起きる。
4 性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。
5 射精後の精子は女性の腟内で1週間程度生存する。
解答
正解4(性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。)
解説

性的刺激(心因性)による勃起には大脳辺縁系が関与する。勃起は副交感神経による血管拡張、射精は交感神経が主体で、反射性勃起中枢は仙髄にある。

視覚や想像などの性的刺激による心因性勃起は、大脳辺縁系から視床下部を経て脊髄へ下行する経路で起こるため、選択肢4が正しい記述である。勃起そのものは骨盤内臓神経(副交感神経)が陰茎海綿体の細動脈を一酸化窒素を介して拡張させ、海綿体洞に血液が充満することで生じる。反射性勃起中枢は仙髄S2〜S4にあり、腰髄ではないので選択肢1は誤り。陰茎海綿体神経は血管を拡張させて勃起を起こす神経であり、動脈収縮作用とする選択肢2も誤り。射精は下腹神経(交感神経、L1〜L2)による精液の放出(emission)と、陰部神経(体性神経)による射出から成り、副交感神経の作用ではないため選択肢3も誤りで、「勃起は副交感、射精は交感」と対で整理しておく。精子が女性生殖路で受精能を保つのはおよそ2〜3日、長くても5日程度であり、腟内は酸性環境のため生存期間はさらに短い。したがって射精後の精子が腟内で1週間程度生存するという選択肢5の記述も誤りである。

✗ 1. 誤り
勃起中枢は腰髄にある。
反射性勃起中枢は仙髄S2〜S4にあり、腰髄ではないので記述は誤り
✗ 2. 誤り
陰茎海綿体神経は動脈収縮作用をもつ。
陰茎海綿体神経は血管を拡張させて勃起を起こす。収縮作用とするのは誤り
✗ 3. 誤り
射精は副交感神経の作用を介して起きる。
射精は下腹神経(交感)と陰部神経が主体で、副交感神経ではない
✓ 4. 正しい
性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。
視覚や想像による心因性勃起は大脳辺縁系を介して起こる。正しい記述
✗ 5. 誤り
射精後の精子は女性の腟内で1週間程度生存する。
精子の受精能保持は長くても5日程度で、1週間程度生存とするのは誤り
ポイント
  • 勃起=副交感(血管拡張、仙髄S2-4)
  • 射精=交感(emission)+体性(陰部神経)
  • 心因性勃起に大脳辺縁系が関与、精子生存は数日
比較表
勃起・射精の神経支配
現象主な神経・中枢
勃起(血管拡張)副交感(骨盤内臓神経)、仙髄S2-4
心因性勃起大脳辺縁系→胸腰髄
射精(放出)交感神経
射出体性(陰部神経)
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