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理由で解く 理学療法士

QP54P068 生理学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問68
問題
妊娠、出産で正しいのはどれか。
選択肢
1 受精卵は着床してから分裂を開始する。
2 胎盤は着床前から形成が開始される。
3 妊娠中は、妊婦と胎児の血液の混合が起こる。
4 妊娠中はプロラクチン分泌が抑制されている。
5 分娩が始まるとオキシトシン分泌が減少する。
解答
正解採点除外(公式に正答なし・本アプリではどれでも正解)
解説

本問は公式に正答がない(厚生労働省が採点除外とした)。5つの選択肢はいずれも標準的な記載と食い違う。

受精卵は受精直後から卵管内で卵割(分裂)を始め、胚盤胞となる約1週間後に着床する(1は誤り)。胎盤は着床後に、栄養膜(栄養芽細胞)が子宮内膜へ侵入して絨毛が発達することで形成が始まる。胚盤胞の段階で栄養膜そのものは分化しているが、それは胎盤の形成開始とは区別される(2は誤り)。母体血と胎児血は胎盤の絨毛膜で隔てられ物質交換のみを行い、通常は混合しない(3は誤り)。妊娠中はプロラクチン分泌はむしろ増加し、乳汁分泌はエストロゲン・プロゲステロンによって抑えられている(4は誤り)。分娩時にはオキシトシン分泌が増加して子宮収縮を促す(5は誤り)。したがって選ぶべき正答は存在しない。

✗ 1. 誤り
受精卵は着床してから分裂を開始する。
卵割は受精直後から卵管内で始まる(着床より前)
✗ 2. 誤り
胎盤は着床前から形成が開始される。
胎盤の形成が始まるのは着床後。着床前にあるのは胎盤ではなく栄養膜(胚盤胞の外層)
✗ 3. 誤り
妊娠中は、妊婦と胎児の血液の混合が起こる。
母体血と胎児血は絨毛膜で隔てられ、物質交換のみで混合しない
✗ 4. 誤り
妊娠中はプロラクチン分泌が抑制されている。
妊娠中プロラクチンは増加する(乳汁分泌の方が抑えられている)
✗ 5. 誤り
分娩が始まるとオキシトシン分泌が減少する。
分娩時はオキシトシンが増加し子宮収縮を促す
この問題には正答がありません。本問は厚生労働省が「選択肢に誤りがあり、正解が得られない」として採点対象から除外した問題です(第54回理学療法士・作業療法士国家試験 午後 問68)。出題者が正答として用意したとみられる選択肢2「胎盤は着床前から形成が開始される。」自体が、標準的な発生学・産科学の記載(胎盤の形成は着床後に栄養膜が子宮内膜へ侵入して始まる)と食い違っていたためです。当初この問題は、選択肢2を「着床後」に書き換えて演習として成立させていましたが、「栄養膜は着床前からある」という擁護は胎盤の形成開始とのすり替えであり無理があるため、原問のまま・正答なしに戻しました。設問文・選択肢はすべて原問どおりです。本アプリでは、この問題で学習が止まらないよう、どの選択肢を選んでも正解として扱っています。
ポイント
  • 胎盤の形成開始は着床後(着床前にあるのは栄養膜)
  • 卵割は受精直後から。着床は受精の約1週間後
  • 母体血と胎児血は混合しない(胎盤で隔てられ物質交換のみ)
  • 妊娠中はプロラクチン増加、分娩時はオキシトシン増加
比較表
妊娠・出産の生理のポイント
項目正しい理解
卵割開始受精直後(着床前)
胎盤形成着床後に栄養膜が子宮内膜へ侵入し絨毛が発達して開始
母児血液混合せず胎盤で物質交換
オキシトシン分娩で増加し子宮収縮
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