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理由で解く 理学療法士

QP55P041 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問41
問題
筋力増強運動について正しいのはどれか。
選択肢
1 等尺性筋力増強運動では1回あたり20〜30秒間以上の収縮が必要である。
2 筋力を維持するためには最大筋力の70〜80%以上の抵抗が必要である。
3 目的としていない筋に代償運動が起こる方がよい。
4 等速性筋力増強運動では重錘ベルトを使用する。
5 等尺性筋収縮では血圧上昇に留意する。
解答
正解5(等尺性筋収縮では血圧上昇に留意する。)
解説

等尺性(静的)収縮は息こらえ(Valsalva)を伴いやすく血圧が上昇するため、循環器疾患患者では特に注意する。

等尺性収縮は関節運動を伴わない静的な収縮で、筋内圧上昇による血流阻害とValsalva手技(息こらえ)により胸腔内圧が上がり、血圧が急上昇しやすい。このため高血圧・心疾患患者では呼吸を止めないよう指導する。筋力増強に有効な抵抗は最大筋力の60〜80%以上(過負荷の原則)で、維持だけなら20〜30%程度でも足りる。等尺性収縮の保持時間は数秒(5〜6秒程度)で十分であり、代償運動はターゲット筋の負荷を逃がすため避けるべきである。

✗ 1. 誤り
等尺性筋力増強運動では1回あたり20〜30秒間以上の収縮が必要である。
等尺性収縮の保持は数秒(5〜6秒程度)で効果があり、20〜30秒以上は不要
✗ 2. 誤り
筋力を維持するためには最大筋力の70〜80%以上の抵抗が必要である。
筋力の維持には最大筋力の20〜30%程度で足り、70〜80%は増強に必要な負荷
✗ 3. 誤り
目的としていない筋に代償運動が起こる方がよい。
代償運動は目的筋への負荷を減らし訓練効果を下げるため起こさない方がよい
✗ 4. 誤り
等速性筋力増強運動では重錘ベルトを使用する。
重錘ベルトを用いるのは等張性(等トルクでない)運動。等速性は専用機器(Cybex等)で角速度を一定に保つ
✓ 5. 正しい
等尺性筋収縮では血圧上昇に留意する。
等尺性収縮はValsalva効果と筋内圧上昇で血圧が上がりやすく留意が必要
ポイント
  • 等尺性収縮=息こらえで血圧上昇→循環器疾患で注意
  • 筋力増強には最大筋力の60〜80%以上、維持は20〜30%
  • 等速性=専用機器で角速度一定、重錘は等張性
比較表
筋収縮様式と運動の特徴
様式特徴手段
等尺性関節運動なし・血圧上昇に注意壁押しなど
等張性一定負荷で関節運動重錘・ダンベル
等速性角速度を一定に保持専用機器(Cybex等)
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