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理由で解く 理学療法士

QP55P015 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問15
問題
46歳の女性。BMIは29.0である。両側の変形性股関節症で、股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある。理学療法で適切でないのはどれか。
選択肢
1 杖を用いた歩行練習
2 水中歩行による有酸素運動
3 背臥位での下肢筋のストレッチ
4 階段昇降による筋力増強トレーニング
5 自転車エルゴメーターでの筋持久性トレーニング
解答
正解4(階段昇降による筋力増強トレーニング)
解説

荷重時痛のある変形性股関節症では股関節への荷重ストレスを減らすのが原則。階段昇降は股関節に大きな荷重をかけ不適。

変形性股関節症では関節軟骨の摩耗を進めないよう、荷重ストレスと疼痛の管理が重要である。とくに荷重時痛と肥満(BMI29)を伴う本例では、股関節に体重の数倍の力が加わる動作を避けるべきである。階段昇降は片脚支持で股関節に大きな圧縮・剪断力がかかり、疼痛悪化と関節破壊の進行を招くため筋力増強手段として不適切である。一方、杖使用は股関節合力を軽減し、水中歩行や自転車エルゴメーターは非荷重〜低荷重で有酸素・筋持久性を高められ、ストレッチは可動域維持に有用で、いずれも適切である。

✗ 1. 正しい
杖を用いた歩行練習
杖で荷重を分担し股関節合力を軽減、疼痛下でも歩行を維持でき適切(正しい)
✗ 2. 正しい
水中歩行による有酸素運動
浮力で荷重が減り、疼痛を抑えつつ筋・持久力を鍛えられ適切(正しい)
✗ 3. 正しい
背臥位での下肢筋のストレッチ
非荷重で拘縮予防・可動域維持に有用で適切(正しい)
✓ 4. 誤り
階段昇降による筋力増強トレーニング
股関節に大きな荷重ストレスがかかり疼痛悪化・関節破壊を助長(適切でない=正解)
✗ 5. 正しい
自転車エルゴメーターでの筋持久性トレーニング
座位・非荷重で股関節負担が少なく筋持久性を高められ適切(正しい)
ポイント
  • 変形性股関節症は荷重ストレス軽減が原則
  • 非荷重・低荷重運動(水中・エルゴメーター)を選ぶ
  • 階段昇降は股関節に高負荷で不適
比較表
股関節への荷重ストレスの比較
運動荷重ストレス
水中歩行低(浮力で軽減)
自転車エルゴメーター低(座位・非荷重)
杖歩行中(杖で分担し軽減)
階段昇降高(片脚支持で過大)
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