学習トップ理由で解く 理学療法士第10章 ▸ 実地 / QP55P005

理由で解く 理学療法士

QP55P005 基礎理学療法学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問5
問題
疑うべき疾患はどれか。
図
選択肢
1 大腿骨頭壊死症
2 大腿骨頭すべり症
3 単純性股関節炎
4 発育性股関節形成不全
5 Perthes病
解答
正解5(Perthes病)
解説

小児の股関節痛+大腿骨頭骨端の扁平化・硬化(のちに分節化)像→Perthes病。鑑別は発症年齢が要点で、乳児(女児)=DDH、幼児〜学童=Perthes病、思春期(肥満男児)=大腿骨頭すべり症、成人=特発性大腿骨頭壊死症。単純性股関節炎はX線正常。本例の患側は患者左(向かって右)である点に注意。

5歳女児、左股関節痛の症例。骨盤正面単純X線では三放射軟骨(Y軟骨)や骨端線が開存する小児像で、患側=患者左(向かって右)の大腿骨頭骨端が対側(患者右)に比べて小さく扁平化し、硬化して(高濃度に白っぽく)見える。小児の大腿骨頭に生じる特発性の阻血性(血行障害性)壊死であるPerthes病を疑う所見であり、正答は5。年齢で鑑別すると、乳児期の女児で骨頭が上外方へ脱臼するのはDDH(4)、思春期の肥満男児で骨端がすべるのは大腿骨頭すべり症(2)、30〜40歳代成人(ステロイド・アルコール関連)は特発性大腿骨頭壊死症(1)であり、いずれも本例の年齢・所見に合わない。単純性股関節炎(3)は一過性でX線に器質的異常を示さないため、骨端の壊死・扁平化を認める本例とは矛盾する。

✗ 1. 誤り
大腿骨頭壊死症
特発性大腿骨頭壊死症は30〜40歳代の成人(特にステロイド使用者・多飲酒の男性)に好発する。5歳女児という年齢像に全く合致しない
✗ 2. 誤り
大腿骨頭すべり症
思春期(10〜16歳)の肥満傾向のある男児に多く、近位大腿骨骨端が骨端線でずれる疾患。5歳では年齢が合わない
✗ 3. 誤り
単純性股関節炎
幼小児の股関節痛で頻度は高いが一過性で、単純X線では骨破壊・骨壊死・変形などの器質的異常を認めない。本例は骨端の扁平化・硬化があり合致しない
✗ 4. 誤り
発育性股関節形成不全
発育性股関節形成不全(DDH):出生時〜乳児期の女児に多く、大腿骨頭が寛骨臼から上外方へ偏位(脱臼・亜脱臼)する。本例は両骨頭とも臼蓋内にあり脱臼所見はなく、骨壊死像とも異なる
✓ 5. 正しい
Perthes病
小児(好発6〜7歳)に生じる大腿骨頭の特発性阻血性壊死。本例は5歳女児・左股関節痛で、X線上、患側=患者左(向かって右)の大腿骨頭骨端が対側より小さく扁平化し、硬化(高濃度に白色化)して見え、年齢・所見が合致する
ポイント
  • Perthes病=小児(4〜8歳)の大腿骨頭阻血性壊死
  • エックス線:骨端核の硬化・分節化・扁平化・圧潰
  • 年齢と骨頭壊死所見が鑑別の鍵
比較表
小児・若年の股関節疾患の鑑別
疾患好発年齢特徴的所見
発育性股関節形成不全乳児期脱臼・臼蓋形成不全
単純性股関節炎3〜10歳一過性、骨変化なし
Perthes病4〜8歳大腿骨頭の阻血性壊死・扁平化
大腿骨頭すべり症思春期(肥満傾向)骨端線での骨頭のすべり
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