学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP55P002

理由で解く 理学療法士

QP55P002 理学療法評価学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問2
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で、正しいのはどれか。
図
選択肢
1 手屈曲
2 手伸展
3 手橈屈
4 母指掌側外転
5 母指橈側外転
解答
正解4(4)
解説

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準の「基本軸・移動軸・測定する面」を、図と一つずつ照合する問題。母指掌側外転は基本軸=示指(橈骨の延長上)、移動軸=母指で、手掌面に直角な面での運動として測る。

手関節の屈曲(掌屈)・伸展(背屈)は、基本軸=橈骨、移動軸=第2中手骨、前腕中間位として橈側から測定する。橈屈・尺屈は基本軸=前腕の中央線、移動軸=第3中手骨、前腕回内位で測定し、屈曲・伸展とは移動軸が異なる点が要注意である。母指の外転は2つあり、掌側外転は手掌面に直角な面で母指を掌から立ち上げる運動(参考可動域90°)、橈側外転は手掌面上で母指を橈側へ開く運動(同60°)で、どちらも基本軸=示指(橈骨の延長上)、移動軸=母指である。図4は前腕から示指へ延びる基本軸に対し、母指が手掌面から垂直に立ち上がる運動を描いており、掌側外転の定義どおりで正しい。図1の手屈曲は移動軸を第2中手骨にとって橈側から測るべきところ、尺側からの測定になっている。図2の手伸展は移動軸が第2中手骨であるべきなのに母指にとられている。図3の手橈屈は移動軸が第3中手骨であるべきなのに第2中手骨にとられている。図5の母指橈側外転は運動面は手掌面上で正しいが、基本軸を示指ではなく中指にとっている点が基準と異なる。

✗ 1. 誤り
手屈曲
移動軸は第2中手骨で橈側から測るが、図は尺側からの測定になっており不適当
✗ 2. 誤り
手伸展
移動軸は第2中手骨であるべきだが、図は母指を移動軸にとっており不適当
✗ 3. 誤り
手橈屈
移動軸は第3中手骨(前腕回内位)だが、図は第2中手骨にとっており不適当
✓ 4. 正しい
母指掌側外転
基本軸=示指・移動軸=母指で、手掌面に直角に母指を立てる運動を正しく描く
✗ 5. 誤り
母指橈側外転
基本軸は示指(橈骨の延長上)だが、図は中指を基本軸にとっており不適当
ポイント
  • 0°=基本肢位(解剖学的肢位)
  • 基本軸・移動軸は基準で定めた骨指標に合わせる
  • 隣接関節の代償を排する肢位で測定する
比較表
ROM測定の基準ポイント(例)
関節運動基本軸/移動軸測定肢位の要点
股関節屈曲体幹の平行線/大腿骨(大転子と外顆中心の線)膝屈曲位で測り大腿後面の緊張を除く
肩関節屈曲・伸展肩峰を通る床への垂直線/上腕骨体幹が動揺しないよう固定
前腕回内・回外上腕骨/手指伸展の掌面(または尺骨茎状突起)肘90°屈曲・体側で測定
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