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理由で解く 理学療法士

QP55A032 理学療法評価学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問32
問題
Froment徴候が陽性のとき、麻痺を疑うべき神経はどれか。
選択肢
1 肩甲背神経
2 尺骨神経
3 正中神経
4 長胸神経
5 橈骨神経
解答
正解2(尺骨神経)
解説

Froment徴候は母指内転筋(尺骨神経支配)の筋力低下をみる検査で、陽性なら尺骨神経麻痺を疑う。

Froment徴候は紙を母指と示指でつまませ、引き抜こうとする際の代償を観察する検査である。尺骨神経支配の母指内転筋・第1背側骨間筋が麻痺すると母指内転で紙を保持できず、代わりに正中神経支配の長母指屈筋を働かせて母指IP関節を屈曲させて把持する。このIP屈曲が陽性所見であり、母指内転筋を支配する尺骨神経の麻痺を示す。

✗ 1. 誤り
肩甲背神経
誤。肩甲挙筋・菱形筋を支配し、手内筋とは無関係。
✓ 2. 正しい
尺骨神経
正。母指内転筋の麻痺を反映し、Froment徴候陽性は尺骨神経麻痺を示す。
✗ 3. 誤り
正中神経
誤。代償に用いる長母指屈筋が正中神経支配だが、徴候そのものが示すのは尺骨神経麻痺。母指球萎縮・猿手・涙のしずくサインが正中神経障害の所見。
✗ 4. 誤り
長胸神経
誤。前鋸筋を支配し翼状肩甲を生じる。手部とは無関係。
✗ 5. 誤り
橈骨神経
誤。手関節・手指伸筋を支配し下垂手を生じる。
ポイント
  • Froment徴候=尺骨神経(母指内転筋)麻痺
  • 母指IP屈曲(長母指屈筋の代償)が陽性所見
  • 尺骨神経麻痺は鷲手・骨間筋萎縮も伴う
比較表
上肢末梢神経麻痺の代表徴候
神経代表徴候
尺骨神経Froment徴候・鷲手・骨間筋萎縮
正中神経猿手・涙のしずくサイン・母指球萎縮
橈骨神経下垂手
長胸神経翼状肩甲
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