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理由で解く 理学療法士

QP55A028 基礎理学療法学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問28
問題
歩行周期と筋活動パターンの関係を図に示す。このグラフが示す特徴をもつ筋はどれか。
図
選択肢
1 大殿筋
2 中殿筋
3 大腿四頭筋
4 ハムストリングス
5 下腿三頭筋
解答
正解5(下腿三頭筋)
解説

立脚後期(足指離地直前、歩行周期約45〜50%)に単一のピークを持ち遊脚期は不活動という筋活動パターンは、蹴り出しを担う下腿三頭筋(底屈筋)の特徴である。

図は横軸に歩行周期(%)、縦軸に筋活動(低〜高)をとった折れ線グラフで、上部に踵接地(0%)・立脚期(0〜60%)・足指離地(60%)・遊脚期(60〜100%)の相区分が示されている。曲線は立脚初期(約10%)から立ち上がり、立脚期を通じて漸増して足指離地直前の約45〜50%で単一のピークを形成し、以後急峻に低下して足指離地(60%)でほぼゼロとなり、遊脚期は活動がほとんどない。この「立脚後期(前遊脚期・足指離地直前)に単峰のピークを持ち、遊脚期は不活動」というパターンは、立脚期に足関節を底屈させて蹴り出し(push-off)を生み出す下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋=底屈筋)の筋活動パターンである。下腿三頭筋は立脚中期以降に脛骨の前方回転を制動しながら活動を強め、足指離地の直前に最大となり推進力を発生させ、遊脚期には働かない。他の選択肢の筋は活動のピーク時期が異なる(大殿筋・中殿筋・大腿四頭筋は立脚初期、ハムストリングスは遊脚後期〜接地時)ため合致しない。よって正答は5の下腿三頭筋である。

✗ 1. 誤り
大殿筋
主に踵接地〜荷重応答期(立脚初期、0〜20%)に活動しピークは立脚初期。図は立脚後期(約45%)にピークを示すため合致しない
✗ 2. 誤り
中殿筋
荷重応答期〜立脚中期(単脚支持期)に活動し立脚前〜中期にピーク。図の立脚後期ピークと合致しない
✗ 3. 誤り
大腿四頭筋
荷重応答期(立脚初期)と遊脚後期〜接地時に活動する二峰性が典型。図の立脚後期単峰と合致しない
✗ 4. 誤り
ハムストリングス
遊脚後期(約90〜100%)から立脚初期にかけて活動し接地前後にピーク。図の立脚後期ピーク・遊脚期不活動と合致しない
✓ 5. 正しい
下腿三頭筋
立脚期を通じて筋活動が漸増し、足指離地の直前(約45〜50%)で単一のピークに達し、遊脚期はほぼ不活動。図の波形と完全に一致
ポイント
  • 下腿三頭筋=立脚後期(踵離地)で蹴り出し
  • 大殿筋・ハムストリングス=初期接地〜荷重応答期
  • 大腿四頭筋=荷重応答期の膝伸展保持
  • 中殿筋=片脚支持期の骨盤水平保持
比較表
歩行周期における主な下肢筋の活動相
主な活動相
大殿筋初期接地〜荷重応答期
中殿筋立脚期(片脚支持期)
大腿四頭筋荷重応答期(立脚初期)
ハムストリングス遊脚終期〜荷重応答期
下腿三頭筋立脚中期〜後期(蹴り出し)
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