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理由で解く 理学療法士

QP55A010 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問10
問題
27歳の男性。脊髄完全損傷(第5胸髄節まで機能残存)。日常生活は車椅子使用にて自立している。設計事務所に勤務しており、長時間のデスクワークを行うことが多い。多忙のため除圧を行う機会が少なくなっている。この状況が続いた場合、褥瘡が生じる可能性が最も高い部位はどれか。
選択肢
1 肩甲部
2 膝窩部
3 仙骨部
4 肘頭部
5 腸骨部
解答
正解3(仙骨部)
解説

車椅子座位で長時間・除圧不足の場合、体重が集中し骨突出のある殿部(坐骨・仙骨部)に高い圧が持続的にかかり褥瘡を生じやすい。選択肢中では仙骨部が該当。

褥瘡は骨突出部の軟部組織に持続的な圧迫が加わり血流障害を起こすことで発生する。好発部位は体位・姿勢により決まり、その姿勢で体重を支える骨突出部が危険となる。本症例は脊髄損傷による対麻痺で感覚・運動が障害され、圧迫や痛みを自覚できず自発的な体位変換も乏しい。加えて多忙で除圧(プッシュアップ等)を怠っているため、車椅子座位で荷重が集中する殿部の骨突出部に長時間の圧迫が持続する。選択肢の中では仙骨部が座位・臥位いずれでも荷重を受ける代表的な骨突出部であり、褥瘡発生の可能性が最も高い。予防には定期的な除圧、体圧分散クッション、皮膚の観察が不可欠である。

✗ 1. 誤り
肩甲部
背臥位で圧がかかる部位。座位のデスクワークでは主な荷重部でない
✗ 2. 誤り
膝窩部
軟部組織に富み骨突出が乏しく、持続圧迫を受けにくい
✓ 3. 正しい
仙骨部
座位・臥位で荷重が集中する骨突出部。除圧不足の車椅子生活で最も褥瘡を生じやすい
✗ 4. 誤り
肘頭部
局所的に圧がかかる場面はあるが、座位の主荷重部ではない
✗ 5. 誤り
腸骨部
側臥位で圧がかかる部位で、座位デスクワークの主荷重部ではない
ポイント
  • 褥瘡は骨突出部への持続的圧迫で発生
  • 車椅子座位の主荷重部は殿部(仙骨部・坐骨部)
  • 脊髄損傷では感覚脱失+除圧不足でリスク増大、定期的除圧が予防の要
比較表
姿勢別の褥瘡好発部位
姿勢好発部位
背臥位仙骨部・踵骨部・後頭部・肩甲部
側臥位大転子部・腸骨部・外果部
車椅子座位坐骨結節部・仙骨部・尾骨部
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