学習トップ理由で解く 理学療法士第7章 ▸ 一般 / QP54P083

理由で解く 理学療法士

QP54P083 リハビリテーション医学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問83
問題
歩行障害と病態の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 鶏歩 ― ハムストリングスの筋力低下
2 踵打ち歩行 ― 深部感覚障害
3 動揺性歩行 ― 錐体外路障害
4 小刻み歩行 ― 運動失調
5 Trendelenburg歩行 ― 腸腰筋の筋力低下
解答
正解2(踵打ち歩行 ― 深部感覚障害)
解説

各異常歩行は原因筋・原因病態と1対1で対応する。鶏歩=下垂足(前脛骨筋・腓骨神経)、動揺性=中殿筋、小刻み=錐体外路(Parkinson)、Trendelenburg=中殿筋。

本問は提示された組合せがいずれも標準的な対応と一致せず、素直に選べる正答がない設問である(本データでは正答が確定していない)。学習上は原因病態を正しく対応づけて覚えることが重要である。鶏歩(steppage gait)は前脛骨筋の麻痺による下垂足で、ハムストリングスではなく総腓骨神経・前脛骨筋の障害で生じる。踵足歩行(踵で接地)は下腿三頭筋の麻痺で、深部感覚障害では踵打ち歩行(失調性)となる。動揺性歩行(waddling)は中殿筋筋力低下や筋ジストロフィーで、錐体外路障害ではない。小刻み歩行はParkinson病など錐体外路障害で、運動失調ではない。Trendelenburg歩行は中殿筋の筋力低下で、腸腰筋ではない。

✗ 1. 誤り
鶏歩 ― ハムストリングスの筋力低下
鶏歩は前脛骨筋麻痺による下垂足(総腓骨神経麻痺)。ハムストリングスではない
✓ 2. 正しい
踵打ち歩行 ― 深部感覚障害
踵足歩行は下腿三頭筋麻痺による。深部感覚障害では踵打ち・失調性歩行
✗ 3. 誤り
動揺性歩行 ― 錐体外路障害
動揺性(アヒル)歩行は中殿筋筋力低下・筋ジストロフィー。錐体外路障害ではない
✗ 4. 誤り
小刻み歩行 ― 運動失調
小刻み歩行はParkinson病など錐体外路障害。運動失調ではない
✗ 5. 誤り
Trendelenburg歩行 ― 腸腰筋の筋力低下
Trendelenburg歩行 ― 腸腰筋の筋力低下:Trendelenburg歩行は中殿筋(股関節外転筋)の筋力低下。腸腰筋ではない
本問(第54回理学療法士国家試験 午後 問83)は、厚生労働省が「選択肢に不適切があるため」として採点対象から除外した問題です。原問のままでは5つの選択肢すべてが誤りで正答が存在しないため、演習として成立するよう当方で選択肢2を改変しました。具体的には、選択肢2を「踵足歩行 ── 深部感覚障害」から「踵打ち歩行 ― 深部感覚障害」に変更しています。踵足歩行(踵足)は下腿三頭筋の麻痺で生じるもので深部感覚障害とは対応しませんが、深部感覚障害(感覚性運動失調)で特徴的なのは踵を叩きつける踵打ち歩行であり、出題者もこちらを意図したものと考えられます。他の4つの選択肢は原問のままで、いずれも標準的な対応と食い違うため誤りです。
ポイント
  • 鶏歩=下垂足=前脛骨筋麻痺(総腓骨神経)
  • 踵足歩行=下腿三頭筋麻痺
  • 動揺性歩行・Trendelenburg歩行=中殿筋筋力低下
  • 小刻み歩行=Parkinson(錐体外路)、失調性歩行=深部感覚/小脳障害
比較表
異常歩行と原因病態
異常歩行主な原因
鶏歩(steppage)前脛骨筋麻痺・下垂足(腓骨神経)
踵足歩行下腿三頭筋麻痺
動揺性歩行中殿筋筋力低下・筋ジストロフィー
Trendelenburg歩行中殿筋筋力低下
小刻み歩行Parkinson病(錐体外路)
失調性歩行小脳障害・深部感覚障害
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