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理由で解く 理学療法士

QP54P007 理学療法評価学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問7
問題
人工呼吸器のモニターに示される気道内圧と肺気量位を図に示す。理学療法前後で図のような変化が見られた場合、呼吸器系に生じた変化として考えられるのはどれか。ただし、対象者の自発呼吸はなく、人工呼吸器による陽圧変化のみにより肺気量位が変化しているものとする。
図
選択肢
1 肺活量の増加
2 残気量の減少
3 気道抵抗の増加
4 胸郭柔軟性の低下
5 肺コンプライアンスの増加
解答
正解5(肺コンプライアンスの増加)
解説

同一の気道内圧(約12cmH2O)で肺気量が0.2L→0.4Lへ倍増=ΔV/ΔPの増大=肺コンプライアンスの増加を示す。

コンプライアンス(肺・胸郭の膨らみやすさ)は、加えた圧の変化ΔPに対する容量の変化ΔVの比(C=ΔV/ΔP)で表される。図では、呼吸理学療法の前後で気道内圧の波形はほぼ同一(ピーク約12cmH2O)であり、人工呼吸器が加える陽圧=駆動圧は変わっていない。一方、肺気量(1回換気量)は療法前の約0.2Lから療法後の約0.4Lへと約2倍に増加している。自発呼吸がなく陽圧変化のみで肺気量が決まる条件下で、同じ圧に対してより多くの空気が入るようになったということは、ΔV/ΔPが大きくなった、すなわち肺コンプライアンスが増加したことを意味する。したがって正答は5。抵抗増加(3)や柔軟性低下=コンプライアンス低下(4)は、同一圧で送気量が減る方向であり図と逆。肺活量(1)や残気量(2)はこの波形からは評価できない。

✗ 1. 誤り
肺活量の増加
図は気道内圧に対する1回換気量を示すもので、随意的最大呼出である肺活量は測定されていない。自発呼吸なしの前提とも矛盾する
✗ 2. 誤り
残気量の減少
肺気量曲線は前後とも0(呼気終末ベースライン)へ戻っており、残気量の変化を読み取れる情報は図に含まれない
✗ 3. 誤り
気道抵抗の増加
気道内圧のピーク約12cmH2Oと波形は前後で不変。抵抗が増加すれば同一圧で送気量はむしろ減少するはずで、肺気量増加とは逆
✗ 4. 誤り
胸郭柔軟性の低下
柔軟性低下はコンプライアンス低下を意味し、同一圧なら肺気量は減少するはず。図では肺気量が増加しており逆向き
✓ 5. 正しい
肺コンプライアンスの増加
同じ気道内圧(約12cmH2O、駆動圧ΔP一定)に対して肺気量が0.2L→0.4Lへ約2倍に増加=コンプライアンス(ΔV/ΔP)の増大を示す
ポイント
  • コンプライアンス=ΔV/ΔP=圧-量曲線の傾き
  • 同じ圧で肺気量↑=コンプライアンス増加
  • 気道抵抗増加・胸郭柔軟性低下は逆方向の変化
比較表
圧-量曲線の傾き変化とその解釈
変化傾き解釈
コンプライアンス増加同じ圧で肺気量↑(改善)
コンプライアンス低下緩やか同じ圧で肺気量↓(線維化・浮腫・無気肺等)
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